「それでも、好きです。」1【平野紫耀】

25 - 俺は俺らしく ▽ sho side ページ25

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神「紫耀、好きなの？」

紫「はぁ？」





じんの " 好きなの？ " という言葉に、顔がかぁっと熱くなり、つい乱暴な返しをしてしまう。





なぜか動揺してる自分の感情に追いつけない。





紫「･･･いや、好きとかそういうんじゃなくてさ。」

神「Aちゃんのこと、気になる？」

紫「おい、･･･ストレートすぎ。」





率直な言葉に戸惑った。





まだ2回しか会ったことないのに、なぜかAちゃんと目が合った時の記憶がいつも鮮明に蘇る。





初めて出会った時のドキドキした感覚。





コンビニで偶然再会した時に抱いた感情。





ゆっくりペースだけど、毎日連絡をしてくれる嬉しさ。





Aちゃんとラインでやりとりをしていると、楽しくて、平凡な毎日が良い日になって、『もっと知りたい』って気持ちが込み上げてくる。





そんな色んな思いを自分でどう解釈すればいいのか分からなくて、ずっともやもやした感情が渦を巻いている。





･･･ここ最近、ずっとだ。





紫「･･･自分でも正直分かんねぇわ。」

神「･･･紫耀さ、難しく考えすぎなんじゃね？」

紫「難しく？」

神「うん。素直に考えていいんだよ。きっと、紫耀のことだから、『俺は芸能人だから、相手に迷惑掛けられない』とか、『世間はこうだから、こうしなきゃいけない』とか、考えてるっしょ？」

紫「･･･んー、まぁ。」

神「ふふ、ほらな。紫耀は、" 紫耀らしく " でいいんだよ。」





ぽんと肩を優しく叩かれた。





そんなじんの言葉が自分の心に、すっと寄り添った感覚になる。





紫「じゃあ、もっとフッ軽でいいってこと？」

神「フッ軽は、ちょっと違うだろ！言葉のチョイスどうにかして。とにかく、気持ちのまま進んでみたら？」

紫「気持ちのまま、か。なんか、ありがとな、じん。じんにこんなこと言われると思ってなかったから、ふつーに嬉しい。」

神「俺は思ったこと言っただけな。つーか、早く準備してきて？これからドライブ行くのに、もう昼過ぎる。」

紫「おい、呼び止めたのどっちだよ。」





" 素直に考えていい " って言葉に、もやもやが少し晴れた気がした。





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