「それでも、好きです。」1【平野紫耀】

12 - ローソンの奇跡 ▽ sho side ページ12

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あれから2週間が経った。





梅雨明けを迎えた東京は、いよいよ本格的な夏到来。





映画とドラマの撮影のため、自宅と現場を往復する毎日を過ごしていた。





･･･当然、あの時の彼女とは会えていない。





会えないと分かっていても、マンションのロビーやエントランスを通るたびに無意識に確認してしまう自分がいた。





なんでそんなに気にしてんだか。





ただ、「改めてもう一度お礼を言うべきだから」とか「雨に濡れてたから風邪引かなかったのか心配だから」とか、そんな " いかにも " みたいな理由を添えてた。





紫「･･･暑すぎて干からびそうっす。」

マ「エアコンの温度もっと下げよか？」





後部座席でうなだれていた俺に、マネージャーが運転しながらバックミラー越しに聞いてきた。





日の出前の早朝から20時までみっちり撮影した帰り道。





今日は一日中ドラマの撮影だった。





今撮っているシーンがちょうど野外での撮影で、炎天下の中だとかなりの体力を消耗する。





マ「あ、紫耀くん。ちょっとコンビニ寄ってもいいかな。ついでに飲み物買ってくるけど、何がいい？」

紫「あ、俺大丈夫っすよ。」

マ「ほんと？じゃあ、適当に選んで買ってくるよ。」





コンビニの駐車場に車を停めると、マネージャーが駆け足で店内へ入って行く。





･･･それにしても、暑い。





冷風が来ない。





やっぱり後部座席までエアコンの風が来なくて、調整しようと運転席の方まで移動する。





風量を最大に設定し、ふと運転席の方に目を向けると、座席にマネージャーの財布がぽつんとあった。





あれ、財布忘れて行った？





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