胡蝶さん、私達は他人ですよ？

目覚め ページ48

暖かい日の光を感じ、私は目を開いた。


昔はよく見ていた木でできた天井。

　
蝶屋敷………。


外を見ると、雲の浮かんだ青い空。


今は、何時なんだろうとぼんやりと考えていると。


ガチャン！


何かが割れる音が扉の方から聞こえた。


カナヲ「さなえ………！目、覚めたんだね……！」


栗花落さんの足元には割れた花瓶があった。


さなえ「えっと…………み、水を………。」


起きたばかりだから、まだ声がうまく出せない。


カナヲ「あ、ちょ、ちょっと待っててね。」


慌てて水を取りに行く栗花落さん。


…………神崎さんたちを呼ばなくていいのかな？


すぐに戻ってきた栗花落さんから水を受け取り少しずつ飲む。


さなえ「あの、」


うん。声が割と普通に出るようになった。

　
さなえ「神崎さんたち、呼ばなくて………」


アオイ「カナヲ？洗濯物を……………さなえ！？起きたの！？！？」


私の言葉を遮るようにして神崎さんが病室に入ってきた。


アオイ「もう！カナヲったら！さなえが起きたって言ってよ！！」


神崎さんはそう言うと部屋を飛び出していった。


他の人たちに知らせに行ったのかな？


さなえ「あの……栗花落さん。煉獄さんの様子は………。」


カナヲ「え、えっと………炎柱様は………。う〜んと。」


あっ、この子多分、煉獄さんの容態を知らないのかな。


ドドドドドッ


廊下を走る音がする。


炭治郎「さなえ！目覚めたのか！？」


善逸「さなえちゃーん！目覚めたの！？」


伊之助「雪女！やっと目覚めやがったのか！」


…………嘴平君の言う雪女って私のこと？


さなえ「あの？嘴平君。私の名前は藤田さなえですよ。」


伊之助「富士山か！！」


えっ………この子、耳良くないのかな？


さなえ「藤田です。」


伊之助「富士山か？」


藤田って覚えにくいのかな？


さなえ「さなえです。」


伊之助「雪女！！」


ハァー。もういいや。

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