胡蝶さん、私達は他人ですよ？

２回目の手合わせ ページ12

あれから、９日経った。

我妻くんたちは 全集中・常中を身につけた。

やる気を出させたらすぐに会得してすごいよね。

炭治郎の教えかたが下手くそすぎだったけど……。

ガァーとかグッとか、擬音語ばっかりで……。

思ったの。炭治郎は教えるの上手じゃないのが意外だなって。

胡蝶さんの頼み事は全てやった。

もう、蝶屋敷から自分の屋敷に帰ろうかな。

カナヲ「さなえ……、手合わせしたいな……。」

……栗花落さん。手合わせ、またやるって約束しちゃったからなぁ。

約束しなきゃよかった。

さなえ「一回だけなら……。」

訓練場

どうして、胡蝶さんもいるの？

さなえ「こんにちは、胡蝶さん。」

しのぶ「さなえ。こんにちは。炭治郎くんたちのことありがとうございました。」

さなえ「いえ。」

ルールは前回のときと同じ。

胡蝶さんが審判をしてくれるみたいだが……。

しのぶ「では………始め！」



カナヲ「花の呼吸 弐の型 御影梅！」

ヒラリ

彼女の剣技はまだまだ隙がありすぎる。

だから、受け流さずに簡単に躱せる。

カナヲ「花の呼吸 伍の型 徒の芍薬」

９回の連撃。敵の懐に入る必要がある。

甘い。攻撃が甘すぎる。

さなえ「雪の呼吸 弐の型 雪月花」

栗花落さんの攻撃は威力が弱すぎる。

今だって、ほら、私の攻撃によろめいている。

私より、背も高く力が強いはずなのに……。

自分の体格を理解し、強みを伸ばさなければ私に勝つことなど夢のまた夢。

確かに彼女は鬼殺の才能はある。目も良いし。

でも、自分の弱点や強みを理解していない。

このままだと、これからの任務では死ぬ。

カナヲ「花の呼吸 陸の型 渦桃」

ここで、その技を使うの？

自分よりも速い動きができる相手には使うのには、適していない。

なぜなら、渦桃は空中で身を回転させる技でここで私が木刀を栗花落さんの木刀に打ち付けたら、彼女は体勢を崩す。

ガン！

ほらね。体勢を崩してる。

スッ。

栗花落さんの首元に木刀を突きつける。

しのぶ「やめ！」

カナヲ「っ……。」

息を呑む栗花落さん。

指導は彼女の師範である胡蝶さんに頼もう。

さなえ「…それでは私はこれで失礼します。」

カナヲ「待って！もう一回お願い。」

やる必要はない。今の彼女の動きでは、何度手合わせをしても意味がない。

さなえ「お断りします。それでは胡蝶さん、また。」

しのぶ「はい。色々とありがとうございました。助かりました。」

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