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「僕たちその人のこと知らないし、わざわざ言わないよ」
『……』
「…それに、Aが自分の感情隠して無理する方が僕は嫌な気持ちになるんだけど」
『……？』
「…いや、拒否されたら悲しくはなるか…」
『…しない、です』
「あー、そうじゃなくて、その…」
ガシガシ頭を掻いて、Aの腕の上に乗せられたままだったタオルを持つ。
涙の残る目尻をそっと拭った。
「嫌なら嫌って言って。僕も我慢できないときあるかもだけど、なるべく優しく…する、うん」
『…いやなこと、ない、です…』
「あーもう、だから！！」
僕の声にビクッと肩を震わせたAを見て、ため息を吐いて…また頭をガシガシと掻いた。
「…じゃあ、怖いとかはあるでしょ。今、ビックリしたか、怖いか、でしょ。違う？」
『……すこし、…』
「少し？」
『…すこし、こわい、かった、です』
「うん、わかった、ごめん」
キョトンと僕を見上げて、フルフル首を横に振ったから、ちょっと面白くなって、ニッと笑った。
「じゃあもう寝るよ」
『……、…おやすみ、なさぃ…』
もぞもぞ布団に入ったAは、僕を見たままパチパチと瞬きをした。
え、なに、誘ってる？
いや違うか。
「…眠れる？」
『……、…』
「…いない方が眠れるなら部屋行くけど、」
『っ、』
立ちあがろうとして体重をかけた腕にAの手が伸びてきたけどすぐに布団の中に戻っていって、Aの顔も布団の中に隠れてしまった。
小刻みに震えてる布団をゆっくり剥がして、Aの手を握った。
「…我慢すんなってば。Aがいいならこのまま、いるし」
『…、…っ』
「でも僕もそろそろ寝たいから布団入るよ」
ちょっと強引に入り込んで、Aの肩や腰がはみ出してないか確認して布団をかけ直した。
Aの方を向くか迷ったけど、それだとお互いに眠れなさそうだから上を向いたままにした。
「寒くない？」
『……、はい』
「じゃ、おやすみ」
僕は普段、すぐ眠れるタイプの人間だと思う。
そんな僕が隣で手を握られてるだけで寝つけなくなって。
手の甲に鼻息かかってんな、と思ってチラッと見たら、だんだん僕の手は引き寄せられてたらしく。
もう鼻にくっつくじゃん、とか心の中で文句垂れながらも、Aがスヤスヤ眠ってたから。
まあいっか、って。
Aの手に左手も重ねて、大きく深呼吸して…僕も眠りに落ちた。
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キムチゲル(プロフ) - なつきさん» わぁあ！嬉しいお言葉をありがとうございます！毎日読んでいただけてるなんて…！光栄です。ちょっと後半の構成を練っているので少し間があきますが、更新頑張ります！ (2023年4月17日 19時) (
レス) id: eaa77fda60 (このIDを非表示/違反報告)
なつき(プロフ) - たくさん更新嬉しいです〜！毎日のように1話から繰り返し読んでいます(^^) (2023年4月16日 19時) (レス) @page41 id: 95c8aadb34 (このIDを非表示/違反報告)
キムチゲル(プロフ) - 儚さん» 無事に読んでいただけて良かったです！飽きないとは…！とても嬉しいです！更新頑張ります！ (2023年3月28日 11時) (レス) id: eaa77fda60 (このIDを非表示/違反報告)
儚(プロフ) - ありがとうございます！18歳以上の年齢認証をしたら無事作品一覧からreverseが閲覧できるようになりました！キムチゲルさんの作品は胸が苦しくなったりほっこりしたりと感情が忙しくなるので読んでいて飽きないです。いつも楽しませて下さりありがとうございます！ (2023年3月26日 23時) (レス) @page25 id: b3dd7ca622 (このIDを非表示/違反報告)
キムチゲル(プロフ) - 儚さん» コメントありがとうございます！大好きとのお言葉、とても嬉しいです。別小説は、私の作品一覧から【reverse】とタイトルについたものになります。作品一覧への飛び方がわからなければ、トップページにリンクを貼りましたので、そちらからどうぞ。 (2023年3月24日 19時) (レス) id: eaa77fda60 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：キムチゲル | 作成日時：2023年3月2日 20時
