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『…ん？続きしないの？私が舐めた方がいい？』
「っ！……僕は、Aと話したいだけ。だからそういうことは、しなくていい」
やり直せるなら…全部は無理でも、やり直したい。
忘れてしまったAに、そんな都合のいいことを考えて、…記憶をなくすなんて、普通のことじゃないのに。
僕は、自分の罪を軽くしようとした。
『じゃあお喋りしよ。手、繋いでてもいい？』
「うん、僕も繋いでたい」
『あ、何か頼む？飲み物とか食べ物あるよ』
メニューを探して立ち上がろうとしたAの手に僕も引っ張られた。
キョトンとして繋がれたままの手を見つめると、テテもついてきて、と僕の手をもう一度引いた。
『お酒もあるよ。テテは飲める人？』
「んーん、あんまり得意じゃないんだ」
『そっか。辛いのも嫌いだもんね』
「え」
『ん？』
「誰かから聞いたの？」
そう言っておいて気づく。
ジョングクにも、そしてそのお兄さんにも僕が辛いもの苦手なことは言ってない。
今のAの周りにいる人は、誰も知らないはず。
眉間に皺を寄せて考え込むAは、うーん、と唸っていた。
『へへへ、わかんない』
「…そっか」
『辛いもの好きだった？』
「んーん、嫌いだよ。苦手だから…Aが、知っててくれて、…嬉しかったんだ」
『ホント？じゃあ辛くないもの頼も』
料理と飲み物をつまみながら、絵を描いたりジェンガをしたりして過ごした。
『これくらいの時間になると聞こえないこと多いんだ…テテ、ごめんね』
"Aもここに書いて。それでトントンして見せ合おう"
『んふふ。じゃあ私が書いてる時は、テテは目瞑ってて』
「うん、そーする」
Aの左手は僕の右手を握ったまま、書きやすいようにスケッチブックを抑えていた。
待ってる間は空いてる手で目を覆ってトントンを待つ。
何回かやり取りして、Aの書くスピードが遅くなったなぁと思っていた。
僕が書いてる間に、Aは僕に寄りかかってきて。
『ねむ、、ぃ…』
と呟いて寝てしまった。
A、こんな楽しい時間を、また一緒に過ごそうよ。
Aが傷つかず、悲しまず、…忘れなくて済む時間を…中学生の頃のような日々を、過ごしたいんだよ。
episode4.fin
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キムチゲル(プロフ) - ＃ピーチパイさん» ピーチパイさん、こちらでもありがとうございます！嬉しいです！ (2022年9月20日 23時) (
レス) id: eaa77fda60 (このIDを非表示/違反報告)
＃ピーチパイ(プロフ) - 新作お待ちしてました。キムチゲルさん、好きな作者様なのでとても嬉しいです。応援してます！ (2022年9月20日 16時) (レス) id: 45ed2b8755 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：キムチゲル | 作成日時：2022年9月20日 14時
