EP.3〜p.23 ページ23
episode3
1人で歩く街並みや駅は2年ぶりで、すごく心細く感じた。
ホビとグクと暮らし始めてから、外に出るときはどちらかと一緒だったから。
はじめは過保護だよって笑ってたけど、そのうち当たり前になって、忘れてた。
いつ音が消えるかわからない。
歩くスピードがバラバラなたくさんの人。
急にぶつかってしまったら、ぶつかられたら。
境目の見えづらい段差。
信号の色は何色が上だっけ。
そんな些細なことに神経を集中させていた日々が、今では懐かしく感じるほど、グクが傍にいることが当たり前になってた。
テテにもう一度会いたくて、テテの通う大学や駅でうろうろとし続けた。
グクは付いてくると言っていたけど、2人がケンカするのは見たくなかったから。
"何かあったらすぐ行く"
グクから届いたメッセージを見て、心が温かくなった。
「A！？どうしたの！」
見ていた方向と反対から手を引かれてビックリした。
そしてそのまま馴染みのある匂いに包まれて、安堵して足の力が抜けた。
『てて』
TH「っ、大丈夫！？立てない？」
『んーん、安心して力抜けただけ。立てるよー…？』
両足に力を込めて背筋を伸ばすと、私を覗き込む2つの視線がテテの後ろにあった。
TH「あ、今日は家族でご飯に行くところで」
『こん、にち、は？』
「A、こんにちはー」
「ヒョン、急には…。こんにちは、Aちゃん」
TH「僕のお兄ちゃんなんだ。ソクジニヒョンとナムジュニヒョン」
ズキン、とまた頭が痛くなって、テテの袖を引いた。
鼓動の音が聞きたくなる。
…やっぱり、テテに会うと調子が悪くなる。
だけど、テテを感じると安心もできる。
TH「…頭、痛い？」
『…へへへ、だい、じょぶ。テテに、会いにきた、』
TH「ホント？僕もAに会いたくて、昨日もあのコンビニの近くに行ったんだよ」
『そ、なんだー。へへへ、いっしょ、だね』
テテとくっつきたくて、テテの背中に手を回したけど、別の手が触れた気がして、体が大きく跳ねた。
こんなことは、初めてだった。
TH「？…大丈夫？」
NJ「すまない、Aちゃん、あとテヒョンイも」
TH「ヒョン？どうしたんですか？」
NJ「ジニヒョンが急にAちゃんの手を触ったから。ビックリしたよね、ごめん。ほらヒョン、謝って」
JN「ヤー、何が悪いんだよ。テヒョンイとは抱き合ってるじゃないか」
．
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キムチゲル(プロフ) - ＃ピーチパイさん» ピーチパイさん、こちらでもありがとうございます！嬉しいです！ (2022年9月20日 23時) (
レス) id: eaa77fda60 (このIDを非表示/違反報告)
＃ピーチパイ(プロフ) - 新作お待ちしてました。キムチゲルさん、好きな作者様なのでとても嬉しいです。応援してます！ (2022年9月20日 16時) (レス) id: 45ed2b8755 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：キムチゲル | 作成日時：2022年9月20日 14時
