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Aは施設に帰さない。
行き先や就職先が決まっていない人たちは、高校卒業後は施設と連携しているグループホームに行く、とAは飄々と話していたし、僕の家もといホビヒョンの家に来たって問題はないはずだ。
あと数日でそうなるんだから、それが早まったところで、ましてやAに酷いことをする男がいる場所を出たところで何が悪いんだ。
ホビヒョンにAのことを話して、これからどうするかを決めた。
午後になって目を覚ましたAはとても戸惑っていたけど、優しいホビヒョンに癒されたようで、夏からオープンする予定の試作メニューと題されたチャジャン麺を美味しそうに頬張った。
『ホビの手は魔法みたい』
「魔法かぁ。片づけが一瞬で終わる魔法も使いたいね」
『んふふ、じゃあその魔法は私が使うよ！片づけ、教えてっ』
「ヤー、Aはいい子だねぇ」
『えっ、初めて言われた、そんなこと！』
「えぇ！？初めてだって！？こらジョングガ、お前も言ったことないのか？」
「いや、僕からはそんな、だってほらAとは、ねえ？」
可愛いとは、守りたいとは、何度も言ってるけど…心の中で。
『いい子って、年上の人が使う言葉だよ。私もグクには言ったことない』
「そう、そうそうそう！そうですよ、ヒョンったら！」
「ヤー、そうだっけ？まあ、そうだね、たしかに。でもAはすごくいい子だよ。僕がこれから何度でも言うよ」
洗おうとしていた皿を落としかけたAの手にスポンジを重ねて、そのまま一緒に皿洗いをした。
『あのさ、私本当にこのままここにいていいの？』
「いいよ、もちろん。ね、ホビヒョン」
「うん。僕らと一緒に暮らそう。本格的な引っ越しはまだだから今日はちょっと過ごしづらいかもしれないけど」
「部屋は2つしかないけどね。……Aは、施設に戻りたいの？」
『いや、うーん…あの、…』
「…ユンさんのこと？」
『あ、えーと、あれは私が我慢できなくなって、それで…』
言い淀むAに、大丈夫だから、と伝えて。
ホビヒョンも、ゆっくり聞くから、と言って。
ここ数週間、卒業後にどうやって生きていこうか不安になって、施設で抑えが効かなくなってユンさんと関係を持ったこと。
ユンさんは他の女の子にも手を出したことがあって、代わりになるならと毎日のように自分から誘うようになったこと。
だけど終わると感覚がなくなって怖くなって眠れなかったと、話してくれた。
．
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キムチゲル(プロフ) - ＃ピーチパイさん» ピーチパイさん、こちらでもありがとうございます！嬉しいです！ (2022年9月20日 23時) (
レス) id: eaa77fda60 (このIDを非表示/違反報告)
＃ピーチパイ(プロフ) - 新作お待ちしてました。キムチゲルさん、好きな作者様なのでとても嬉しいです。応援してます！ (2022年9月20日 16時) (レス) id: 45ed2b8755 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：キムチゲル | 作成日時：2022年9月20日 14時
