Matt(future) ページ7
「そこの資料まとめておけ。あと、あの依頼は明日までに片付けて___」
自らが責任者となりチームを引っ張るその姿は、何事にも明るくてお調子者だった頃のMattを連想させる気配はなくなっていた。でも実際、彼の性格が急変した訳でもない
仕事関係の用事があり、話が終わらないかコソコソ待っていると彼はこちらに気づいた
「あ…!!A!!!!」
物凄い足音と共に稲妻のようなスピードでこちらに駆け寄ってきた。そしてガバッと大きい体が覆い被さる
「忙しくて全っ然会えなかったけどやっと会えた!嬉しい!もう1回再会のハグしよ?」
そう言うと有無も言わせずハグをしてきた。自分より全然大きいからか、体全部が包み込まれる。そして苦しい
『ぐえ…Matt少し力緩めて』
「あ、ごめん。嬉しくてつい…」
えへへ、と嬉しそうに笑うその姿は昔から変わらず安心した。顎や左目が機械になったとしても、自分にとっては昔から大好きなMattだ
すると1人の隊員がこちらに来た
「Mattさん。こちらの依頼はどうすれば…」
「ああじゃあそれは僕がやっておく。君はそっちで他の仕事をやってくれ」
「分かりました!」
ちゃんと仕事のON/OFFが切り替えられるところ、本当に尊敬する。個人的には仕事モードのMattもカッコよくて好きなのだけれど
見惚れていると、またこちらに向き直りきょとんとした顔を見せた
「どうして僕のことじっと見てるの?今の僕の顔はあまりいいものじゃないよ」
彼は当時、自身の顔が変わってしまったことにとてもショックを受けたらしい。そのせいか、自分の顔に自信を持たなくなってしまった。悲しいことだが、失ったものは元に戻せない。ただ同情することしか出来ない自分が悔しい。
だけど…
『どんな顔でもMattはMattなんだから。今のMattも素敵だよ』
なんて一丁前なことを言ってしまった。彼はどう思ったんだろうか、とふと彼の顔を見ると、目に大粒の涙を流していたのて、ぎょっとしてしまった
「A〜!!」
またもや勢いよくこちらに向かって抱きついてくる。涙も流して体だけ成長した大きな赤ちゃんのよう。しかし、抱きしめる力は先程と変わらず、寧ろさっきよりも苦しかった。力加減というものを知らないのだろうか…
10人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
推しを推してけ(プロフ) - さとうみさんさん» さとうみさん!!いつも陰ながらEWの短編集読ませていただいてます…!羨ましいなんて光栄です(⑉・ ・⑉)ありがとうございます、頑張ります! (3月19日 19時) (レス) id: fba0c75805 (このIDを非表示/違反報告)
さとうみさん(プロフ) - 初めてのコメント失礼します、とても書き方が好みでさらさら読めます!両性向けはすごいですよ!わたくしには無理な芸当ですね、羨ましいです。これからも無理せずに頑張ってください! (3月19日 19時) (レス) id: 563e8e19e1 (このIDを非表示/違反報告)
推しを推してけ(プロフ) - あるまじき存在ではないアルマジロさん» ご期待に添えて良かったです(՞ ¨̮ ՞)こちらこそ素敵なリクエストを提供していただきありがとうございました! (3月9日 10時) (レス) id: fba0c75805 (このIDを非表示/違反報告)
あるまじき存在ではないアルマジロ - お待ちしてましたぁ〜! これだ、私が見たかったのはこれですッ!もう読んでいるうちに、夕日で照らされている二人と教室が目に浮かんできました!絶対あのTordって奴は、何かしら企んでるんですよねぇ〜 でも、それがいい! 書いて下さりありがとうございます! (3月9日 7時) (レス) @page14 id: d9deafb208 (このIDを非表示/違反報告)
推しを推してけ(プロフ) - あるまじき存在ではないアルマジロさん» とてもいいシチュエーションですね…提供ありがとうございます。今書いてるものを書き終わったら書こうと思います! (2月23日 3時) (レス) id: fba0c75805 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:推しを推してけ | 作成日時:2024年1月6日 21時