Paul ページ6
ドアの前に立つと、微かに体に悪い煙草の匂いがする。2回ノックすると、部屋の主は「開いてるから入っていいぞ」と答えた。部屋の中は先程よりも煙たく、今にも噎せそうだった
『仕事の資料を持って来ました』
「おーありがと。そこら辺に置いといて」
『………あとリーダーから伝言で次仕事をサボったら半殺しにする、だそうです。では』
山ずみの資料と伝言を伝えてそそくさと部屋から出ようとする。すると「まてまてまて!」 と袖をひっぱり呼び止められた
『なんですか?』
「いや久しぶりに仕事の内で会ったんだし、もう少しゆっくりしない?」
急に呼び止められたから重要なことなのかと思いきやそうでもなく、少し落胆した
『大丈夫です。こっちもまだ仕事終わってないんで。Paulも早く仕事終わらせた方がいいですよ』
「お気遣いありがたいけどねえ…もっとAと話したいんだよなあ。俺は」
『そうですか』
「うーん、冷たい!」
加え煙草で豪快に笑うその姿に人生楽しいんだろうな、と羨ましく思った。どうしてそんな楽しそうなんだろう。そう思うと自然と口に出していた
『なんで仕事もこんなにキツいのに楽しそうなんですか?』
「えー?それ聞いちゃう?てか敬語外そうよ。俺悲しいなー」
そう言い、目に手を擦り付け分かりやすい嘘泣きをする。すると急にニマニマした顔をしながらこちらに近づいてきた。そして頬を捕まれ引っ張られる
『
「俺が仕事サボってた本当の理由知らないでしょ、A」
『?…めんどくさいから?』
「ちがーう!Aとの時間を作りたかったんだよ……って信じてないなその顔」
信じて、と言われても冗談で言われているとしか思えない。それじゃあまるで、自分のことを遠回しに好きと言ってるみたいじゃないか
「本当だよ。嘘じゃない」
今度は真剣な顔でそんなことを言う。妙に色気がありカッコよく見えてしまったのは、煙草の匂いでクラクラしてる所為だと思いたい
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推しを推してけ(プロフ) - さとうみさんさん» さとうみさん!!いつも陰ながらEWの短編集読ませていただいてます…!羨ましいなんて光栄です(⑉・ ・⑉)ありがとうございます、頑張ります! (3月19日 19時) (レス) id: fba0c75805 (このIDを非表示/違反報告)
さとうみさん(プロフ) - 初めてのコメント失礼します、とても書き方が好みでさらさら読めます!両性向けはすごいですよ!わたくしには無理な芸当ですね、羨ましいです。これからも無理せずに頑張ってください! (3月19日 19時) (レス) id: 563e8e19e1 (このIDを非表示/違反報告)
推しを推してけ(プロフ) - あるまじき存在ではないアルマジロさん» ご期待に添えて良かったです(՞ ¨̮ ՞)こちらこそ素敵なリクエストを提供していただきありがとうございました! (3月9日 10時) (レス) id: fba0c75805 (このIDを非表示/違反報告)
あるまじき存在ではないアルマジロ - お待ちしてましたぁ〜! これだ、私が見たかったのはこれですッ!もう読んでいるうちに、夕日で照らされている二人と教室が目に浮かんできました!絶対あのTordって奴は、何かしら企んでるんですよねぇ〜 でも、それがいい! 書いて下さりありがとうございます! (3月9日 7時) (レス) @page14 id: d9deafb208 (このIDを非表示/違反報告)
推しを推してけ(プロフ) - あるまじき存在ではないアルマジロさん» とてもいいシチュエーションですね…提供ありがとうございます。今書いてるものを書き終わったら書こうと思います! (2月23日 3時) (レス) id: fba0c75805 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:推しを推してけ | 作成日時:2024年1月6日 21時