Zombie Tord ページ20
ドアを閉めた、窓も閉めた、どこからか入れそうな所は全て塞いだ。これでゾンビ達は入ってこれないだろう。一息ついて、自慢げに辺りを見渡した
「随分隙だらけだなあ。そんなんだったらすぐ食われちまうよ」
急に頬に冷たい感触がして、驚いて後ろを振り向く。そこにはいるはずのないゾンビが立っていてそれにまた驚き、持っていた護身用のナイフを振り下ろしてしまった。残念ながらナイフはゾンビの腕を完全に切れず、傷跡をつけただけだった
「痛いじゃん。まあこれぐらいならくっつくけど」
そう言ってゾンビは自身の切られた腕の部分をくっつけた。「じゃーん」と言ってまるでマジックを見せられたかのよう。一体どういう原理なんだろう……いや、そんなことより何でこのゾンビはコミュニケーションを取れるんだ。今まで会ったゾンビたちはやり取りどころか、喋っている言語さえ不明だった。謎の親近感が湧いた、なんか嫌だな
「んーしっかし美味そうだな。その脳にかぶりついて脳脊髄液を啜りたい……あ、気にすんなよ?妄想食レポだからさ」
自分の周りを行ったり来たりしながらそんなことを言う。気にするに決まっている。それを聞いて気にしない方が可笑しい。今にも食べられそうだけど、彼は自分に襲いかかる様子がないみたいなので安堵した。だからといって気を許した訳では無いが
「なあ。食べないけどさ、ちょっと体見るぐらいはダメ?空腹を紛らわしたいんだよ。ちょっと、先っちょだけ」
手をわきわきさせながら距離を詰めてくる。彼の気分を害して食べられたくはなかったので仕方なく了承した
「ホント?じゃあ横たわって」
床しかないのでそこに横たわる。上を見あげ彼と目が合うと、こちらを見て不敵に笑っていた。体ならどこでもいいか、と服をまくってお腹を見せる
「へえー肌綺麗だな。柔らかくて………」
ジロジロ眺めていたかと思うと舌舐めずりをし、突然自分のお腹を舐められた。途端にまくっていた服を下ろす。なにすんだ、と怒ると「ごめん、これぐらいならいいかなって」と言われた
「やっぱ美味い。あーダメだ。さっき言ったこと前言撤回する。妄想じゃなくて…現実にするから」
急に目の色を変えてこちらを見てくる。先程までの雰囲気とは違い、なぜか嫌な予感がして逃げようとしたが手遅れだった。彼に手首を掴まれてしまった。もう逃げられない
「安心しろよ、残さず全部食べるから。な?」
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推しを推してけ(プロフ) - さとうみさんさん» さとうみさん!!いつも陰ながらEWの短編集読ませていただいてます…!羨ましいなんて光栄です(⑉・ ・⑉)ありがとうございます、頑張ります! (3月19日 19時) (レス) id: fba0c75805 (このIDを非表示/違反報告)
さとうみさん(プロフ) - 初めてのコメント失礼します、とても書き方が好みでさらさら読めます!両性向けはすごいですよ!わたくしには無理な芸当ですね、羨ましいです。これからも無理せずに頑張ってください! (3月19日 19時) (レス) id: 563e8e19e1 (このIDを非表示/違反報告)
推しを推してけ(プロフ) - あるまじき存在ではないアルマジロさん» ご期待に添えて良かったです(՞ ¨̮ ՞)こちらこそ素敵なリクエストを提供していただきありがとうございました! (3月9日 10時) (レス) id: fba0c75805 (このIDを非表示/違反報告)
あるまじき存在ではないアルマジロ - お待ちしてましたぁ〜! これだ、私が見たかったのはこれですッ!もう読んでいるうちに、夕日で照らされている二人と教室が目に浮かんできました!絶対あのTordって奴は、何かしら企んでるんですよねぇ〜 でも、それがいい! 書いて下さりありがとうございます! (3月9日 7時) (レス) @page14 id: d9deafb208 (このIDを非表示/違反報告)
推しを推してけ(プロフ) - あるまじき存在ではないアルマジロさん» とてもいいシチュエーションですね…提供ありがとうございます。今書いてるものを書き終わったら書こうと思います! (2月23日 3時) (レス) id: fba0c75805 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:推しを推してけ | 作成日時:2024年1月6日 21時