Vampire Matt ページ19
眠れないので散歩しようと外へ出たところ、道端で倒れてる人がいた。顔は青白く、ほぼ死にかけみたいな状態だったので最初こそ驚いたが、呼吸はしていたので一先ず安心した。それにしてもハロウィンでもないのに奇抜な格好をしている
「うう……ほしい。……ん?」
倒れていた人の意識が戻ったらしく、途切れ途切れの言葉を発した。こちらに気づくと、なぜか微笑しながら口から涎を垂らした
「ああ…美味しそ……間違えた、そこの人間さん。僕のこと助けてくれない?お腹がペコペコなんだ」
まだ口から溢れる涎を拭きながら助けを求められた。こんな所で死なれても困るし、とりあえずフルーツなどの食べ物を持ってきた。しかし口に合わなかったみたいで
「えっと、僕フルーツ苦手なんだよね。甘ったるくて食べられないんだ」
と言われた。フルーツが苦手だなんて珍しいなと思ったけど特に何とも思わなかった。次に嫌いな人はいなそうな肉料理を持ってくると
「これ…ニンニク入ってるよね?ニンニクなんて食べたら僕間違いなく死んじゃう!」
まあもう死んでるんだけどね、とおかしな冗談を言いながら、またしても食べられないと言われた。じゃあ何だったら食べるんだ、と要望を聞くと少しはにかみながらこう言われた
「じゃあさ、こっちに来てよ。僕のところに来て」
手招きされてよく分からないまま彼の言われた通りに近づくと、肩をがっしり掴まれた
「ありがとう!もう我慢できないや!それじゃ、いっただきまーす」
ちょっと待ってという前に、一瞬彼の口から牙が見えたかと思うと、自分の首筋を思いっきり噛まれた。針を刺された様な痛みが首にくると、今度は噛まれた部分から血を吸われていた。初めての感覚に浸って変な気分だった
「んー美味しい!ごちそうさま」
彼は満足すると離してくれた。まだ吸われたところがじんじんとする。驚きすぎて気づかなかったけど、なんで急に吸血されたんだ
「不思議そうな顔してるね?僕はヴァンパイアなんだ!あ、君を眷属にするつもりはないから安心して?」
だから奇妙な行動が多かったんだと納得した。吸われたせいか、貧血で頭がいたい
「君の血、美味しかったから飲みすぎちゃった。また機会があったら飲ませてよ」
またね、と言って彼は姿を消した。出来れば再会はもうしたくない
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推しを推してけ(プロフ) - さとうみさんさん» さとうみさん!!いつも陰ながらEWの短編集読ませていただいてます…!羨ましいなんて光栄です(⑉・ ・⑉)ありがとうございます、頑張ります! (3月19日 19時) (レス) id: fba0c75805 (このIDを非表示/違反報告)
さとうみさん(プロフ) - 初めてのコメント失礼します、とても書き方が好みでさらさら読めます!両性向けはすごいですよ!わたくしには無理な芸当ですね、羨ましいです。これからも無理せずに頑張ってください! (3月19日 19時) (レス) id: 563e8e19e1 (このIDを非表示/違反報告)
推しを推してけ(プロフ) - あるまじき存在ではないアルマジロさん» ご期待に添えて良かったです(՞ ¨̮ ՞)こちらこそ素敵なリクエストを提供していただきありがとうございました! (3月9日 10時) (レス) id: fba0c75805 (このIDを非表示/違反報告)
あるまじき存在ではないアルマジロ - お待ちしてましたぁ〜! これだ、私が見たかったのはこれですッ!もう読んでいるうちに、夕日で照らされている二人と教室が目に浮かんできました!絶対あのTordって奴は、何かしら企んでるんですよねぇ〜 でも、それがいい! 書いて下さりありがとうございます! (3月9日 7時) (レス) @page14 id: d9deafb208 (このIDを非表示/違反報告)
推しを推してけ(プロフ) - あるまじき存在ではないアルマジロさん» とてもいいシチュエーションですね…提供ありがとうございます。今書いてるものを書き終わったら書こうと思います! (2月23日 3時) (レス) id: fba0c75805 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:推しを推してけ | 作成日時:2024年1月6日 21時