Matilda ページ12
今日はなんだか気分が晴れなかった。心に隙間が出来ていて、言葉で上手く言い表せないけど。なんとなく公園に立ち寄り、ベンチに座っていると後ろから誰かに抱きつかれた
「A!ぼーっとしてるわ。何か悩み事?」
正体はやはりMatildaだった。最近どこへ行っても彼女がいる気がする。なので、なんでここにいることが分かったのかはあえて聞かないことにした。彼女がこの悩みを理解してくれるか分からないが打ち明けた
「へぇーそうなのね…。私にはあまり分からないけど…ずっと悩んでてもアレだし、ちょっと遊びましょ!」
そう言うと手を握られ勢いよく引っ張られる。その反動でベンチから立ち上がった。さすがに大人2人が公園で遊ぶことに抵抗があったけど、誘いは断れないので仕方なくついていった。ついた先はブランコだった
「昔からこの遊具が1番好きなの!早くA!座って座って!」
ブランコに乗るよう急かされる。普通好きなら座る方を選ぶのでは、と思う。流れのまま座るとゆっくりとブランコを前後に動かす
「Aにもこの楽しさを味わって欲しかったの。ね、とっても楽しいでしょ!」
後ろから背中を押しながらニコニコした顔で言う。もう随分ブランコには乗っていなかったけど、たしかに久しぶりにやったら楽しく感じた。彼女がいるから、というのもあるのだろうか
「次はこっちよ!滑り台ね」
好奇心旺盛な彼女に遊んでは腕を引っ張られ、たぶん公園中の遊具を遊び尽くしたと思う。一息ついてベンチに座ると缶ジュースを持ってきてくれた
「お疲れ様!ちょっと疲れたわね」
隣に座った彼女は汗ひとつかいていない。さすが体力抜群なだけあって、まだ疲れていないらしい。に対して自分はと言うともうヘトヘトだった。持ってきてくれた缶ジュースを開ける。ふとMatildaの持っている缶ジュースが彼女の苦手な飲み物だったことに気づき、指摘する
「え?……あら!私ったら押し間違えちゃったみたい!」
彼女のおっちょこちょいなところに思わず笑ってしまった
「あ、やっと笑ってくれた!やっぱりAは笑っていた方がステキよ」
こちらに指で口角を持ち上げ満面の笑みを見せる。もしかして最初からそのつもりで付き合ってくれていたのか
「これからもそのステキな笑顔でいてね。さ、帰りましょ!」
手を差し伸べられ、その手を繋ぎ握り返す。先程まで鉛のように重かった体が軽くなっていた
10人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
推しを推してけ(プロフ) - さとうみさんさん» さとうみさん!!いつも陰ながらEWの短編集読ませていただいてます…!羨ましいなんて光栄です(⑉・ ・⑉)ありがとうございます、頑張ります! (3月19日 19時) (レス) id: fba0c75805 (このIDを非表示/違反報告)
さとうみさん(プロフ) - 初めてのコメント失礼します、とても書き方が好みでさらさら読めます!両性向けはすごいですよ!わたくしには無理な芸当ですね、羨ましいです。これからも無理せずに頑張ってください! (3月19日 19時) (レス) id: 563e8e19e1 (このIDを非表示/違反報告)
推しを推してけ(プロフ) - あるまじき存在ではないアルマジロさん» ご期待に添えて良かったです(՞ ¨̮ ՞)こちらこそ素敵なリクエストを提供していただきありがとうございました! (3月9日 10時) (レス) id: fba0c75805 (このIDを非表示/違反報告)
あるまじき存在ではないアルマジロ - お待ちしてましたぁ〜! これだ、私が見たかったのはこれですッ!もう読んでいるうちに、夕日で照らされている二人と教室が目に浮かんできました!絶対あのTordって奴は、何かしら企んでるんですよねぇ〜 でも、それがいい! 書いて下さりありがとうございます! (3月9日 7時) (レス) @page14 id: d9deafb208 (このIDを非表示/違反報告)
推しを推してけ(プロフ) - あるまじき存在ではないアルマジロさん» とてもいいシチュエーションですね…提供ありがとうございます。今書いてるものを書き終わったら書こうと思います! (2月23日 3時) (レス) id: fba0c75805 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:推しを推してけ | 作成日時:2024年1月6日 21時