Candle(∞,Yellow)[完結] (ページ10)

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Candle 9 ページ10

そして、明日。
彼女は結婚する。

…ほかの男のものになってまう。

ただ、想いを伝えたくて。
…でも、伝えたらいけない。

…困ったから。
電話をかけた。

pullll…

　『…もしもし？』

　「もしもし。
　 …オレオレ」

　『詐欺か(笑)
　 …で、どうしたん？』

　「ん…特に用事はないけどな？」

…やっぱり、伝えられなくて。

その時、電話越しに誰かの声が聞こえてきた。

　『ん、ごめんね、亮。
　ちょっといい？』

　「…おん。」

聞こえてくるのは、
男の声と、
とても楽しそうに笑う、
君の声。

　
　『…ごめんごめん』

　「旦那？」

　『…うん。
　まだ婚姻届出してへんけどね。』

　「…

　良かったね。
　おめでとう。」

　『…何よー！
　急に改まってさー(笑)
　うん、でも、ありがとうな。

　 …スピーチ、ちゃんと考えたん？(笑)』

　「…うん。考えたよ。
　ちゃんと聞いといてや？」

　『おん。
　 …ほんま、ありがとうな。』

　「…ほんま、おめでとう。

　じゃ、また明日な。」

結局、なにも言えなかった。

…視界が、少し滲んできた。

　「よし。」

それに気づかないふりして。
もう一回スピーチを確認し始める。
　