. ページ18
……どれが仕事のタブか分からない上多分そのタブ間違えて消されてるし。
それにふと時計を見ると既に定時過ぎてる。
「…ちょっと待って、」
……Aさんが言った通り、もう行かないといけない。
さっきから俺の背にあるスマホの通知が鳴り止まないのがその印だ。
けど、最悪な状態でパニくるAさんをこのまま置いて帰るのも気が引ける。
……てか、それだけじゃ収まらないぐらい
_すみません先輩、やっぱり仕事入っちゃいました……
_今日はご飯、行けそうにないです
_埋め合わせは絶対近いうちにさせて頂きます、本当にすみません
それだけじゃ収まらないぐらい、目の前のAさんが震えていた。
「…その仕事頂戴、俺も一緒にする」
『……え、？みんぐ君… 予定あるんじゃ、』
「そんなこと気にしてる暇あるなら消せるタブ消しなさい。
……今なに作ってたの？…ファイルだけ教えてくれない？」
既読がついた瞬間だけを見て、それ以上の返信は見ずに画面を下にして机に置く。
……なんか予定あるって気づかれるほど雑な仕事をして、浮かれてたのは俺なんだし
先輩には申し訳ないけれどキャリアウーマンの先輩なら分かってくれるだろう。
……いや、この安心がどこから来てるのか分からないけど。
とにかく時計やスマホを忘れて、今度は自分のパソコンでファイルを開いた。
.
.
.
『「終わったぁ〜！」』
それから1時間ちょっと。
無事2人で仕事を終わらせられた。
「はぁ、……なんだ。てっきりあともう1時間はかかるような仕事かと思った。」
伸びをした時に不意に手が当たったかと思えば、Aさんも全く同じような格好で椅子に持たれていた。
『……本当にありがとうみんぎゅくん、すっごい助かったよ〜〜！』
さっきの表情とは打って変わっていつもと同じような笑顔で俺を見つめるAさん。
思ったより変なミスはしていなかったし、どちらかと言えば仕事が途中で止まっていただけだった。
「ううん、別に。」
『予定してた方にも謝っておいてね、、全部私が悪いから』
「何もそこまでしないよ」
なんでそこまでだったのにあんな真っ青な顔をしていたのかは、未だに分からない。
『お礼は、』
「焼肉で」
『うん、分かった！』
「はは、ほんとにいいの？笑 冗談で言ったんだけど」
でも、2人でエレベーターに乗りながら見た垂れた目尻に安心して あの表情もすっかり忘れていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 476人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
月紗?(プロフ) - かなさん» 読んで下さりありがとうございます。最近更新があまり出来ておらず申し訳ないです…😢🙏 近々更新する予定ですので宜しければ少しお時間頂けるとありがたいです🙇♀️🙇♀️ (4月18日 23時) (
レス) id: d53eba97f9 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - 続きが気になります！更新待ってます！ (4月16日 22時) (レス) id: b3d6bb1234 (このIDを非表示/違反報告)
月紗?(プロフ) - レイさん» 大変失礼いたしました。改めて表記をさせて頂きました、申し訳ございません😢🙏まだまだ未熟な私にこのようなご指摘をして下さりありがとうございました😭💞 (2月17日 12時) (レス) id: d53eba97f9 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - パロディならパロディとわかりやすいところに表記して欲しいです... (2月17日 12時) (レス) id: 1a788f23e1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：月紗? | 作成日時：2023年4月19日 17時
