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「はい、できた」
『すみません、ありがとうございます』
結局、店長が器用に貼ってくれた絆創膏が私の人差し指に巻き付くことになった。
……それも、普通の絆創膏じゃなくて、くまさんの絵が描かれた可愛い絆創膏。
、店長、実はこういうのが趣味だったりして。
JH「うわぁ、Aさんがヘヨンがくれた絆創膏してる笑笑」
「ふふ、可愛いでしょ?」
『……ヘヨン…さん?』
ちょっとした偏見を抱えていた直後にそんなことを言い出すから、気になってそう聞くと
JH「俺の親戚の子だよ。
ジスの事大好きみたいでね〜、この前来た時おじちゃんが怪我しないように〜なんて言って大量に置いてったんだよね。」
どうやらヘヨンという方は私が思ってたよりも幼い子だった様だ。
「確か最近5歳になったばかりだっけ?」
JH「そうそう。まさかここでその絆創膏が活躍するとは笑」
……てことは私、そんな小さい子がする絆創膏を付けられたって事か。
『……いい歳した私がつけるのも、なんだか気が引けますね。』
JH「んーん?似合ってるよ?笑
せっかくジスが付けてくれたんだから剥がしちゃダメだよ〜」
『……いや、剥がしませんけど……』
そんなこと言われたら、余計剥がしにくくなるじゃん。
変に上機嫌な2人を眺めながらも、交互に自分の指に付けられたクマさんとアイコンタクトする。
…私にこんな可愛らしいの、似合わないと思うんだけどな。
JH「ヤー、もう雰囲気が新婚さんだね笑 何から何まで」
店長が絆創膏のゴミをゴミ箱に捨てに行ってくれた隙にここぞとばかりに弄り出してくるこの人。
……どうやら私が店長の事を好いていると勘違いしているようだな。
『柄にも合わないくまさんがこっちを見てくる度に、変な気分になるんですが。』
JH「何言ってんの。
血付いたかもしれないって言ってたいちごも洗って普通に食べてたよ?あいつ」
さっきなんかもぐもぐしてんなと思ったら、まさか……。
『いや、それは普通にヤバくないですか? 血って汚いし、変な病気とかかかったら……』
JH「大丈夫だよ。あれぐらいじゃ絶対かかんないし。それに信頼されてないと出来ないよ?そんなこと。」
むちゃくちゃ焦ってる私とは裏腹に妙に諭してくるジョンハンさん。
JH「もしかしたら、今ジスの体の1%ぐらい、Aさんで出来てたりして笑」
『……とんだメルヘンおじさんですね。』
だが、おじさんというフレーズにナチュラルに傷ついている模様。
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作者名:月紗? | 作成日時:2022年10月16日 23時