White sugar Black coffee (ページ27)

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『え、会う前から……？』

その言葉に少しだけ引いた目で見ると、”ちょっと、最後まで聞いてって”と半ギレで返された。

JH「シュアはこのお店を開いてから、すごい退屈そうにしてたし何も面白くなさそうだった。
けど、ある日を境に本当に楽しそうにしだしてさ。なんかいい事あったの？って聞いても
曖昧な返事しか返ってこないからずっと理由を探してた。」

でも、シュアが元気になったと同時期ぐらいに1人雇ってたって聞いて、あぁ多分その人のおかげなんだなって分かったんだよね

カウンターに手を置いて、その手を滑らせながらそういったジョンハンさん

その言葉に、無性に鼓動が激しくなる

JH「俺のブランドがここまで大きくなったのも、シュアがずっと支えてくれてたからだし
なにかその人にお礼したいなって思ってね」

JH「最初は会えると思ってなかったからその人の姿を想像しながら作ってたんだけど、なんだカフェに行けば四六時中居るとか聞いて直接会いに来たんだ。」

なんの恥ずかしさも見せずそう淡々と言うジョンハンさん。

店長への思いを堂々と言っているからこそ、支えあって来たことへの自信が見えて。

『……それ、、で？』

当の私は、どう言っていいかわからずそのまま硬直。

JH「実際にシュアを支えてくれてるらしいバイトさんにあって、その印象がまぁ思ってたのとは違うくてね～笑」

そんな私を意味ありげな笑みを浮かべながら見て笑い出す。

『……悪口ですか』

わざと名前を出さずにそんなこと言うこの人に、やっぱり意地悪な人だと再確認しながらも

JH「いいや、逆だよ。
シュアと相性抜群な、超苦ーい人だったってこと。」

そう言って、にっこり笑うジョンハンさんの表情に負けて何も言えなかった。

……褒めてるんだか、貶してるんだか。

JH「元々シュアと似たようなポワポワした人を想像してた分、逆にAさんみたいな人の方がもっと相性いいんだって気付かされてね。
ほら、よく見たらこの2人シュアとAさんそっくりじゃない？」

『…店長がこの2人のこと私とジョンハンさんだなんて言うから、ちょっとびっくりしてたんですよ……』

「…流石の俺でも自分を作るなんて趣味の悪いことしないよ。」

……どうやらこういう職人は自分じゃなくて他の人をモチーフにしたがるんだとか。

『……てことは、じゃあ、、』

JH「もう、言わなくてもわかるでしょ？」

アイスコーヒーの氷をカラカラいわせながらも、私をそんな悪戯な目で見てそう言う

それだけで何か分かってしまうような気がして、どっと顔に熱が集まった。