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この人は完全に何か勘違いしてる。というか、私も理解できてない部分が沢山だ。



『ちょっと待ってください、………ちょっと、…
やっぱりってなんですか、?……やっぱりって。』


普段ならすぐ、訂正できるはずなのに


息がかかるほどの顔の近さと、店長の熱い手に繋がれた右手からだんだん体が火照ってくる。

おかしいぐらいに頭がくらくらするのが、邪魔してどうしても言葉にできない。





『私、……ジョンハンさんの事、好きじゃないですよ、
…それに、…ネックレスを最近着けていないのも、理由があって…… 』



必死に絞り出した声を、目の前のお顔に伝えると



だんだんきょとんとした表情になったかと思えば、ぎゅっとまた握られた手に力を込められた。

「……なあに?教えて。」

『……この体制じゃなきゃ、駄目…なんですか。
ちゃんと席に座って……ほら、しっかり、、話し合いましょうよ』

「…駄目、絶対逃げちゃう」

『……ここからどうやって逃げるんですか…』


変なところまで用心深く、距離も何もかもおかしい店長にもう完全に狂わせられながら


ぽつりぽつり、分かってもらうためにと目を見て理由を話してみた。


「……なんだ、…そんな事か〜、、」


全てをゆっくり言い終えると 心なしか手の力を緩めて、1度だけ顔を上に逸らす店長。

それに顕になった首筋と顎のラインがまた、影になって 私をダメにする


「そんなの気にせずつけてくれてたらいいじゃん〜。」

『店長に被害がどう及ぶかも、私に被害がどう及ぶかもわかんないじゃないですか。。』

なんせ、貴方は全部がいいんだから。


そう心で呟きながらも伝えると、やっと表情の緊張を解いて ふわりと笑ってくれた。

その笑顔に安心して、胸がきゅっとなる。

久しぶりに、注がれてしまった糖分がこんなにも、体に悪そうに疼くだなんて。


「……わかった。じゃあもう今度からカフェに興味を持ってくれた人だけを歓迎するようにする。
絶対に、嫌な気持ちにさせたり 何も買わないで出ていく様な人は入れないよ。
Aちゃんも僕も、大変な思いしないようにね。 そのかわり」


長らく頭の上で押さえつけられていた腕が、ピリピリしだしたと同時位にゆっくりと下ろされて

手を離されたかと思えば、今度はその手で頬を撫でられる

「次から付けるのは、僕があげたネックレスだけにしてよ」


少しいじけたように、でもどこか私を引っ掛けてそう言い終えた後

最後に私の頭を1度撫でてから、手を離した。

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作者名:月紗? | 作成日時:2022年10月16日 23時

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