塩対応vsド悪魔 ページ15
JH「へえ、1人でカフェやるとは聞いてたけどまさかこんなやかましい営業してるとは。」
『……元からじゃないんですけどね』
JH「それは知ってるよ。俺オープン後1人目のお客さんなんだから」
『あぁ……そうでしたか。』
私がここに来た当初の落ち着きなんて、もう店を閉める直後ぐらいにしか残っていないし
最近はずっとどこかのファンクラブのスタッフをしてる気分だから、初日の初々しさなんて忘れた。
JH「イケメンって罪なんだな〜、1人で店長してるだけでこんな…ライブ会場みたいになってさ」
何だこの人、なかなか私と似たような感性持ってんじゃん。って感心したけど
その前に”人の事言えませんけど”って言葉が喉元まで出てきた。
JS「……違うよ、皆僕の連絡先が貴重だと思ってるんだよ。どこかに売れば高値で売れるんだって。」
当の本人は自分に自信が無いわけでも、自分の容姿が素晴らしい事を自覚していない訳でもないのに 最近猛獣のような勢いで喰らいついてくる女性客が増えて怯えてしまっているのかそんなことを言い出すし。
JH「ははっ、笑 じゃあそうなんじゃない?笑 晒しあげたくなるほどの価値はついてるんでしょ」
他人事のように爽快な笑い声を響かせるこの人こそ、最近暇だからとか言って最大級にここでくつろいでるが上、妙に声をかけてくる客が鬱陶しいからって開店前と閉店後に来る。
おかげで開店前は準備捗らないし閉店後は帰ろうとしても酔っ払い(この人)に引き止められる。
JH「てか、いっつもあんなんだったら大変でしょ?Aさん。」
『お陰様で。』
心中お察し……みたいな顔をされる前に、最近忙しいのはあんたのせいだよという圧を込めた視線を送ると、本当に思ってるのか思ってないのか分からない半笑いの顔で”すみませんね〜”だなんて言われた。
最近なんて、店長に貰ったネックレスをつけていたら ある常連のお姉様に店長から貰ったって何故か気付かれて、危うく奪われそうになった。
それから怖くなって、お店では付けないようにしてるぐらい。
JH「でも、その割にはシフトぎっちりだよね?
バイトの時間過ぎててもずっと店ん中にいるし。シフト週何?」
『5』
JH「……え、マジ?」
ほぼおふざけみたいなノリで言ってたのか、私のマジな回答に目が点になるジョンハンさん。
確認を取るみたいに皿を洗っている店長の方を向いても、笑われるだけで大した答えが返ってこなかったからか口が半開きのまま。
『…ジョンハンさんみたいに私、暇を持て余さないので。』
嫌味を込めながら皿を拭いていると、横にいた店長はまた大爆笑した。
アルコールの摂取はほどほどに。→←#最近来る小悪魔なお客さん
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作者名:月紗? | 作成日時:2022年10月16日 23時