失う彼は別れを知らない ［WN］

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あんな事があったからって、次の日がなくなるなんて事は無くて



フラフラな足でちゃんと大学へと向かった。




おかげで顔見知りには会った瞬間生気が抜けた顔だなんて笑われたし



いつもなら笑って返せるはずなのに馬鹿真面目な顔で”なんも無いよ”って答えになってない返事をしてしまった。


・
ひとつの講義が終わって、次の講義までだいぶ時間が空いたから

近くのカフェまで行って、窓側の席でドリンクを飲んでぼーっとしていると




『…』

目の前に突然、頼んでいないスコーンが現れた。

咄嗟に顔を見上げると、そこには

「……生気抜けてるけど大丈夫か？」

『……ジフナ 』


中学時代の友人であり、大学でまた再会したジフンがいた。


『それ、デジャブ。』

「…そう言われても。」

昔、グループぐるみで仲良くなってからちょくちょく2人で遊びに行ったりなんてした

本当に、親友に近い存在だ。



『……てか、なんでここにいるの？』

最近忙しくて会ってなかった上、このカフェで会うことは初めて。


「なんでいるのって、ここ俺の行きつけ。」

そう半笑いで、当たり前かのように前の席に座るジフン。


『……？私もここ、行きつけ』

「…まぁ、知ってるけどな」

いつみてもこの人は、中学から変わっていない。

そう言ってクールぶったように澄ます顔も。

『え、ここで会ったの初めて……でしょ？』

「まぁ、明確に言えばそうだけど何回か見かけて知らないフリしてた」

『…だーいぶ酷いよ。ソレ。』


……なんだ、なんて酷いこというんだ。

「、彼氏と2人で幸せな時間過ごしてる仲引き裂いてまで話しかけに行きゃ良かったか？」

『いや、それは……うん。 ごめん。』

顔、すごい怖いよ。

それと、今の私にちょっと刺さる話題なの。




動揺してしまってモカのコップの取っ手を意味もなく触る。


『珍しいね。ジフン甘いもの食べるんだ』

それに気付かれたくなくて話題を変えた。

「違う、これAの」

『……え、？何で？』

、、そういえば、理由もなく突然と何かを渡してくるのが多かったな。この人。

プレゼントであれ、単なる要らないものであれ。

「…まぁ、死んだ顔だから？」

……聞いてもどういう訳なのかよく分からないけれど。


『、、死んだ顔でいるのも悪くないんだね』

「…はっ、笑なんだそれ」

素直に甘えてスコーンを口に運ぶ。

…こんなにスコーンって、味なかったっけな。

「何か食べてる時にそんな顔してんの、初めて見た」


『……まぁ、気にしないで』

必死に味、探ってるだけだからさ。

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