失う彼は別れを知らない ［WN］

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『……私は、ウォヌの気持ちが分からない』

自分の衝動とは他に 振り絞ったその言葉


別れてからそんなに弱った姿を見せつけられても


ジメジメとした雨でどんより濡れた ぬるい体をよせられても


酔って会いに来られても、貴方が何を考えてるのか分からない



悲しいの？後悔してるの？

怒ってるの？何か怖いの？

不安なの？嬉しいの？

ただ、私を可笑しくさせたいの？




「…ごめん」

その声も、どう捉えたらいいの？








私はね、今だってウォヌの背中に腕を回さないようにする事さえ必死だよ


ウォヌの行動を否定する事も、拒否することも出来ない自分と


それを醜く嫌う自分が残酷に戦って押し寄せる



いっそ、こんなになっても貴方を拒めないのなら

いっそ、こんなになっても貴方を恨めないのなら





知らないフリをして 貴方を受け入れたい そう思っちゃうんだよ



さっきまでの自信も この無限ループから抜け出せるかもしれない1歩も

今すぐにだって全てなくしてしまいたい







私に別れを告げたあなたも


私の心を切り裂いた後に 酔って会いに来るあなたも


私を前みたいに愛情できつく抱きしめられないあなたも



本当に本当に憎いし本当に本当に大嫌い




でも、あなたがこんなことになるなら


どんな状況であっても、こんなに近くにいる貴方に縋ってまで抱きしめたいだなんて思ってしまうの


それぐらい、呑まれてるんだよ。


それぐらい、呑み込んでるの




下に垂れ下げた自分の手


痛いぐらいに握るのも、もう、何回目なんだか






「…ほんと、ごめん」



『……そんなに申し訳ないなら 、 』



どう思ってるかぐらい、教えてよ。


何を考えてるのか、言ってみせてよ。





謝ってばっかじゃ


”……ジフン、ごめん”


”…ごめん、ほんとごめんね、”




……何も、伝わんないんだって。





貴方が私を好きじゃなくなったのは何故？



貴方が、私を好きじゃないのにそう言って抱きしめるのは何故？



そんな、冷たい体をして 愛より他の要件で私を抱きしめるのは何故？



「…」


頑なに口を閉ざすのは、何故？


『……言えない理由ぐらい、教えてよ』


「、…Aに、迷惑かけるかもしれない」



私の肩で籠る震えたそんな声


そんなの初めて聞いたからか



私にも簡単に移って、言葉が出ない


温かさなんて1ミリもない体は、ただ私を焦らせて冷たくさせるだけで

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