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「……なんでAはお母さんを困らせる事ばっかりするの?!」
『…ごめんなさい』
「もう、……いいから。 早くどっかいって。」
『……お母さん、でも』
「……なによ、!」
『……お酒、もうやめてよ、』
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「……彼氏なんていつの間にできてたんだ?」
『ちょっと前……ぐらいかな。今度一緒にご飯行かない?ジフンとも合いそうな気がして』
「あぁいや…俺はいい。……絶対守ってもらえよ。 その人に」
『…うん?ありがとう。』
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『……お酒、飲みすぎじゃない?』
「…んーん。」
『それ以上飲んだら気持ち悪くなっちゃうよ。……もう今日は寝よう。』
「……あとちょっとだけ飲んだら行くから、先行ってて。」
『…ウォヌヤ。』
「……どうしたの?」
『…もう、寝ようよ。』
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色んな人の声に 顔に モヤがかかる
それなのに言葉はストレートに頭に入ってきて
苦しい、辛い、寒い
全ての記憶がぐるぐると交互に入れ替わっては私をおかしくさせる
いい物は残して 悪いものは出ていって
そう願っても、思い出はいつも運命に逆らえなくて
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『……ん、』
そう必死にもがいているうちに、目が覚めた。
見覚えのない天井と、慣れない心地に頭が追いつかなくて
「…起きたか?」
そう言って私の顔を覗きに来たジフンの顔を見てから、やっと理解した。
『………あぁ、…ごめんね…。ちょっと待ってね今退くから』
いつの間にかかけられていたふわふわの毛布を剥がして、直ぐに起き上がる。
「…大丈夫だって、しばらく寝てろ。」
その時にまたくらっとして、動けないままでいると頭の上からそんな声が降り掛かってきた。
行く場所がなくさまよった私の足は、ただ床へと着地する。
『………ありがとう。』
今までの記憶全てを引き出しても、スペースが足りないくらい
ジフンは私を、いつも見捨てないでいてくれた
部屋の中に干された私の服の代わりに 身にまとったジフンのものであろうTシャツや靴下。
これでもかと腰に巻かれた布団は、どこか不器用で。
『…ほんと、ありがとう。』
雨に濡れただけの私を、必死に温めようとしてくれたんだって嫌でもわかる
打って変わって引いた痛みや倦怠感、汗ばむほど温まった私の体。
「……先、風呂入るか?」
これをただ有難いだけで済ませるには、不足しすぎて苦しくなった。
感謝の気持ちよりあと二つ、いや三つ
上の言葉があったらいいのに。
これ以上言えないとなると、また自分が廃れていく。
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月紗?(プロフ) - fuyu0526さん、ありがとうございます😿 すごく嬉しいです😢💞次の作品まで……😭🤦♀️もうフルスピードで修正終わらせます。 主様もどうかお身体にはお気を付けてください。そして……お鼻交換してください… (2023年4月15日 11時) (レス) id: d53eba97f9 (このIDを非表示/違反報告)
月紗?(プロフ) - ここここさん、ありがとうございます😭そんな有難いお言葉を聞けるような作品を作れる人間に、少しでもなれた事が本当に嬉しいです。😿これからも温かく見守って下さる皆様の為に頑張ります💪ご拝読して下さりありがとうございました。 (2023年4月15日 11時) (レス) @page46 id: d53eba97f9 (このIDを非表示/違反報告)
ここここ(プロフ) - 完結おめでとうございます! いつも楽しみに読ませていただきました ここまで夢中になったお話は初めてで、何回も読み直してしまいました笑 主様の言葉選びや物語の進め方がすごく好きです! これからも応援させていただきます! 素敵なお話をありがとうございました (2023年4月14日 23時) (レス) @page46 id: 4b95013bd6 (このIDを非表示/違反報告)
fuyu0526(プロフ) - いつも更新楽しみにしていました。完結,おめでとうございます。次の作品も必ず読ませていただきます‼︎これからもお身体に気をつけてお過ごしください。P.S.私は花粉症ではありません。 (2023年4月14日 23時) (レス) @page46 id: 841865627b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月紗? | 作成日時:2023年1月14日 14時