初夏が似合わない君の季節月［WN］2

. ページ38

自分の心よりも、ずっと好きでいた健気なジュンの気持ちが実って欲しいと思ったし

それ以上に自信がなかった俺は この先もずっと自分の気持ちなんて知らないふりでいようだなんて思ってたのに


既に真剣に向き合いながらも ジュンの気持ちに答えようとしていた彼女に 頷くなんて答えはなかったらしくて

どこにやったらいいか分からないこの感情も

どう誰に何を言えばいいか分からないこの状況も、全部悩んだけど

結局、ジュンならどうやって返して欲しいかを考えた時に生まれた ただの予想と偏見をぶつける形になってしまった


決して自分の気持ちを優先したわけじゃなかったけど それ以外が思い付かなかったのがすごく申し訳なかった。


答えすら出さずに逃げる自分と 答えがいい方向じゃ無くても真正面から気持ちを伝えようとするAさん

それにまで比較してはどこか後ろめたさを感じたけど


帰る時には少しだけ表情を明るくしていた彼女を見て またいけない安心の仕方をしてしまったんだった


＿＿
JN「昨日フラれちゃったんだよね〜」

HS「へぇ……って、は？！！…いつの間に告ってたの？！」

その数日後に部活で準備体操をしてた時に 軽々しくそんなことを言ったジュン

知ってたよ、だなんて言えるはずもなく 自分だけ反応の余地すらなかったけど

JN「えへへ、ちょっと前？」

HS「ええ言えよ……！！つかなんでフラれたのにそんな平気そうなんだよ！！」

柔軟してた足を速攻閉じてジュンの方を向き直すスニョンの動きが あまりにもうるさかった


JN「いやぁ、だって断られる気してたし〜
向き合ってくれただけ嬉しかったの！ 」

そう言いながら本当になんの濁りもないような表情で、嬉しそうに笑うのを見て

これで良かったのか、なんて考える度に分からなくなった


JN「ウォヌヤ〜、
幸せにするんだよ〜〜」


しばらくスニョンとわちゃわちゃしているのを見ていると 突然そんなことを言いながら名前を呼んできたジュン


「……え、なんの事？」

幸せを願われるべきは自分じゃないのか、何を言ってるんだ、なんて混乱していると


JN「自分の気持ちには素直で居なきゃ！」

そう言って、ちょっと強く肩を叩かれた。


……自分より友人の気持ちを、と思っていたのは 俺だけじゃなかったのかな

ジュンがそう言って明るく笑うから すごく困った

隠してたつもりでも、バレてたんだ。なんて

それに

ジュンが"幸せになるんだよ"と"幸せにするんだよ"を単に言い間違えただけだと思ってた俺は、”うん”だなんて 理解してるのかしてないのか分からないぐらい、小さい言葉しか出せなかった。

変わった事、そうじゃない事→←友に恋に幸せに - W N -

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す