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それに気づいた瞬間また胸の鼓動が早くなる。
もうこうなれば早めに言ってしまうのがいいのかもしれない。
腹を括って潔く爆発しよう、もうそれでいいや。
『…そりゃあ…好きだよ、ウォヌ君のこと』
そう思った時にはもう既に口から出ていた言葉
……いつから貯えてたんだろうね、この言葉。
自分でも頑張って知らないフリしてここまで来たけど、本人に無理やり掘り出されるとはね。
吹っ切れて逸らしてしまった目をもう一度合わせると 静止画のように固まったウォヌ君と目が合った。
『…え、好きだよ?』
「…ふっ、」
聞き取れなかったのかと思いもう一度言えば、一気に口角をあげて笑いだした。
『……ちょ、結構真剣に言ってんだけど、!』
「いや、そうじゃなくて笑」
相変わらず可愛らしい柔らかい笑顔を見て、ムカついても本気で怒れない。
こちとら今にも吐きそうなぐらい緊張してるって言うのに。
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「なんか幸せで」
感情がぐちゃぐちゃになったままでいるとそうやってまた微笑まれた
『…もー、まじで調子狂う〜。』
この感情を持った時からずーーっとこうだ。
この男は毎回私のペースも一緒にかき乱してくる。
そうされたら弱いことぐらい知って欲しいんだけど。
結局その笑顔に負けて私も笑えば、嘘みたいに温かかった。
暑いんじゃなくて、むさ苦しいんじゃなくて、 心地のいい人の温かさだった。
「…ほら、はい。」
『……なに?何欲しい?』
すると私の前に手を出して何かを欲しがるウォヌ君。
「はぁ、馬鹿だね」
それに今度は呆れた顔でそう言って
私の手をちょっと強引に掴んで、握った。
『………ウォヌ君って、意外と大胆だよね。』
「何を今更」
照れ隠しにしてはちょっと変な言葉で
またその手から伝わる優しさをダイレクトに喰らわないように頑張ってふんばって
それでも顔が見たくなって手が繋がっている方を見ると
少しだけ恥ずかしそうに それでも嬉しそうに私を見るウォヌくんの目が合った。
暑いコンクリートに、ふたつの影が繋がって浮かび上がる
地面からジリジリ、と熱気が湧き上がって 蒸発してしまいそうなぐらいそれも幸せそうで
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「ああ、痛い痛い」
『飛んでっちゃえ!おら!えい!』
「なんで、なんか悪いことした?俺」
夏の匂いと一緒に鼻を掠めたウォヌくんの匂いが、あまりにも落ち着くから
吹き飛ばそうと必死に、繋がれた腕を振り回した。
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月紗?(プロフ) - レモンサイダーさん、何度もありがとうございます本当に嬉しいです…😢💞 了解致しました‼️現在更新をしている作品を終えたら、新しく作らせていただきたいと思います🤭💕ありがとうございます🙇♀️✨ (2月4日 17時) (レス) id: d53eba97f9 (このIDを非表示/違反報告)
レモンサイダー(プロフ) - 好きすぎて、何度目かわからないですが、また読みにきてしまいました🫣 続編ほしいです🥺🥺 (2月4日 14時) (レス) @page50 id: 194f03e581 (このIDを非表示/違反報告)
月紗?(プロフ) - レモンサイダーさん» ご拝読して下さりありがとうございました。そんな事を言って頂ける様な作品を作れた事、すごく光栄に思います…ありがとうございます😢💞まだ残り14話ほどございますので、これから書かせて頂く番外編等を宜しければ…!😭♥️ (10月23日 23時) (レス) @page36 id: d53eba97f9 (このIDを非表示/違反報告)
レモンサイダー(プロフ) - あまりにも好きすぎる、終わらないで〜😭 (10月23日 22時) (レス) @page36 id: 194f03e581 (このIDを非表示/違反報告)
月紗?(プロフ) - 肉豆腐さん» こちらこそ全力で応援しております……‼️😢💘 (10月23日 19時) (レス) id: d53eba97f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月紗? | 作成日時:2023年9月16日 19時