. ページ32
……何も思わなかった訳ない。
なんで唇が重なったのかとか、なんでそんな顔で笑うのかとか 色々考えたよ。
でも、1番肝心な言葉を置いて 何も無かったみたいに笑ったのはウォヌ君もでしょう？
だから聞こうとしたけど聞かなかったんだよ。
それぐらいなら、理由なんて聞かないまま残したかったの。
「……いや、衝動というか」
『…ウォヌ君って思ったより本能で動いてるんだね』
さっきまであんなに自信満々だったウォヌ君が、濁った言葉を使っているのがが絶妙にらしくなくて、
笑いそうになるのを無理やり沈めながらそういえば
.
.
「…俺も男だよ」
やけに真剣な顔でそうやって言われた
.
.
『え、あ、うん知ってるケド…なんでそんなにシリアスなの？』
「こういうのはふざけて言わない方がいいのかと思って」
……さっきまでふざけたこと言ってたくせにどうしたのよ。
なんて思いながら彼の目を見つめていると
.
.
.
「好き」
.
.
そんな言葉が 彼の優しい声で聞こえた気がした
.
.
『……んえ？ 』
それと共に反射で立ち止まってしまう
靴が地面に擦れる音すらしなくなって 本格的に私たちの間に静かな時が流れた
.
びっくりして再び、改めて彼の顔を見ると
.
.
「好きだって」
そう口を動かして、私を見つめるウォヌ君がいた。
それを見た瞬間に、心臓が口から出てきそうなぐらいバクバク、と音を立てて動く
夏の暑さも私が全て吸い込んでしまったかのように体が暑くて
一瞬で落ち着きをどこかへ置いてきてしまった私は、すぐに言葉が出てこなかった
何度も知らないフリをした自分の気持ちにはもう既に正直でいたけど
いざ面と向かってこんな言葉を浴びると一瞬で砂になってしまいそうだった
.
.
.
『…言葉と行動が逆だよお兄さん』
こんな状況で、第一声がこれとは
自分の可愛げの無さに心底残念だと思ってしまう。
「うん。ごめん」
でも 真剣な目でそうやって謝ってくるから
なんか変な気持ちになるでしょ
「……Aさんは？」
『えー、なんかそれ、酷くない？もう既に分かってて言ってるでしょ？』
「分からないから聞いてるんだけど」
さっきまで本能に負けた…みたいな顔をしてたくせに、気づけばそんなことを言っていたずらに笑う。
……あぁ、もう。やられてしまった。
この手になるともう、何か答えを出すまで揺さぶり続けられるんじゃん。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 382人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
月紗?(プロフ) - レモンサイダーさん、何度もありがとうございます本当に嬉しいです…😢💞 了解致しました‼️現在更新をしている作品を終えたら、新しく作らせていただきたいと思います🤭💕ありがとうございます🙇♀️✨ (2月4日 17時) (
レス) id: d53eba97f9 (このIDを非表示/違反報告)
レモンサイダー(プロフ) - 好きすぎて、何度目かわからないですが、また読みにきてしまいました🫣 続編ほしいです🥺🥺 (2月4日 14時) (レス) @page50 id: 194f03e581 (このIDを非表示/違反報告)
月紗?(プロフ) - レモンサイダーさん» ご拝読して下さりありがとうございました。そんな事を言って頂ける様な作品を作れた事、すごく光栄に思います…ありがとうございます😢💞まだ残り14話ほどございますので、これから書かせて頂く番外編等を宜しければ…！😭♥️ (10月23日 23時) (レス) @page36 id: d53eba97f9 (このIDを非表示/違反報告)
レモンサイダー(プロフ) - あまりにも好きすぎる、終わらないで〜😭 (10月23日 22時) (レス) @page36 id: 194f03e581 (このIDを非表示/違反報告)
月紗?(プロフ) - 肉豆腐さん» こちらこそ全力で応援しております……‼️😢💘 (10月23日 19時) (レス) id: d53eba97f9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：月紗? | 作成日時：2023年9月16日 19時
