貴方の初夏が似合わない理由 ページ27
『このでかい階段、なんのために出来たんだろ、、』
「んー、昔はこの上に人が住んでたりしたんじゃない？」
ようやく長い長い階段を登り終えて、やけに静かな場所にゆっくりと腰掛ける。
ソハの叔父さんが教えてくれた、花火がよく見えて人が少ない場所というのが
神社の裏に回った所にある大きな石の階段のてっぺんで。
そもそも階段の一番下の段さえ周りの木や雑草のせいで何も見えなくてちょっと苦戦したぐらいなのに
普通行くはずもない神社の裏に、こんな道があるってソハ叔父はどうやって知ったんだ……？
後ろから変な虫が鳴く音が小さく聞こえつつも、上を向けば両サイドに生えるおおきな木がフレームみたいになって空を映し出すのが綺麗で そんなことも気にならないぐらいだった。
・
さっき花火のお供として買ったラムネを私とウォヌ君の間に置いて、2人して開ける。
よくよく考えれば、今本当なら速攻家に帰ってゲームしてる時間なのに
こうやってまだウォヌ君といるって、不思議だな。
……この人は本当にこれで良かったのだろうか。
『……やべ、開けるのミスった』
「手びちゃびちゃじゃん、笑」
なんて考えていると、開ける力の加減を間違えたのか盛大に吹きこぼれるラムネ。
シュワシュワ、と白い泡を出しながら地面に跡をつけていった。
残念なぐらい指先に滴るラムネ。
『…拭いていい？』
「いいわけないだろ」
その手をウォヌ君に見せびらかすと、結構ガチな顔で嫌がられた。(ちゃんとティッシュで拭きました)
『乾杯ーー』
「はい」
一応やる？みたいな軽いノリで水色の瓶を手に持って
2人で瓶の底を軽く打ち合う。
カラン、って瓶と瓶が触れて 中のビー玉が揺れた。
1口飲むと、爽やかな味が喉を通る。
少しだけ強い炭酸のせいで鼻の奥が熱くなるけど
『はぁ〜、ラムネってこんなに美味しかったっけ』
ふう、と一息つくと一気に涼しくなった。
チラリと横を見ると、喉を動かして同じように飲んでいるウォヌ君が居た。
1回で結構飲んでるの、珍しいな。
「……あと5分で始まるって」
まだ何も無い空を眺めていると、横からそんな声が聞こえてきた。
こっそり心待ちにしてそうなその声色。
『…ウォヌ君はさ、こうやって私と花火見るって決めて、良かったの？』
それに気になって聞けば こっちを向いて
「うん、なんで？」
『いや、なんか気になって』
かと思えば笑って、また空を見上げた。
私だけ置いてけぼりにされた目線。
「良くなかったらここにいないでしょ」
またさりげなくそんな事言うから、ちょっと恥ずかしかった。
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月紗?(プロフ) - レモンサイダーさん、何度もありがとうございます本当に嬉しいです…😢💞 了解致しました‼️現在更新をしている作品を終えたら、新しく作らせていただきたいと思います🤭💕ありがとうございます🙇♀️✨ (2月4日 17時) (
レス) id: d53eba97f9 (このIDを非表示/違反報告)
レモンサイダー(プロフ) - 好きすぎて、何度目かわからないですが、また読みにきてしまいました🫣 続編ほしいです🥺🥺 (2月4日 14時) (レス) @page50 id: 194f03e581 (このIDを非表示/違反報告)
月紗?(プロフ) - レモンサイダーさん» ご拝読して下さりありがとうございました。そんな事を言って頂ける様な作品を作れた事、すごく光栄に思います…ありがとうございます😢💞まだ残り14話ほどございますので、これから書かせて頂く番外編等を宜しければ…！😭♥️ (10月23日 23時) (レス) @page36 id: d53eba97f9 (このIDを非表示/違反報告)
レモンサイダー(プロフ) - あまりにも好きすぎる、終わらないで〜😭 (10月23日 22時) (レス) @page36 id: 194f03e581 (このIDを非表示/違反報告)
月紗?(プロフ) - 肉豆腐さん» こちらこそ全力で応援しております……‼️😢💘 (10月23日 19時) (レス) id: d53eba97f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月紗? | 作成日時：2023年9月16日 19時
