思い出の駄菓子屋 ページ11
『おばちゃ〜ん、どう思う？』
・「あはは、たいへんそうねぇ。」
『最近の子供ってあんなに人使い荒いの……？』
・「Aちゃんも小さい時はあんな感じだったのよ〜、きっと。」
『嘘……信じたくない…』
幾らか小さくなったように感じるテーブルに、ぐったりと項垂れる。
涼しい店だと思いきや全開にして開けられたドアから熱風がしきりに吹いてきて、それにもまたやられて。
小学生の頃にこれでもかと吸い込んだ懐かしい匂いと一緒に吸うと、いつかに体験した夏の日を思い出した。
『……いや、絶対違うね。』
『私、友達居なかったけど1人でここ来てお菓子食べてたもん。』
＿＿＿”おばちゃん〜、これください”
”はい、80円です。”＿＿＿＿
＿＿＿”…と、はい…！”
”ぴったりね、はい。”
＿＿＿”ありがとう〜！”
夏休みはわざわざ学校のプール開放に行ったり、よくここの駄菓子屋に行ったりしてた。
…………だからぜっったいに、うちのいとこみたいに
”Aお姉ちゃん、今暇？”
”暇だけど…何だい？”
”駄菓子買ってきて！コーラのカンカンのラムネと、丸いゼリーと…”
自分の部屋で優雅に涼んでた高校二年生を引きずり出す様な暴君小学生ではなかったはずだ。
・「そうねぇ、Aちゃんはよく1人でも来てたねぇ。」
あの時より少しだけシワが増えたけれど、人の温かさや手の分厚さは何一つ変わっていないおばちゃんは、そうやって優しそうに微笑んだ。
『…寂しいヤツだったもんで』
それにそんな言葉で返して、しっかり頼まれたお菓子を揃えた袋をだらりとぶら下げると、溶けそうになった。
『…そういえば、夏休みなのに少ないね、お客さん。』
・「最近はどこでも色んなお菓子が揃ってるから。 ここにわざわざ来る子もいないのよ。」
『ええ、なんか寂しいねそれ。』
少しだけ悲しそうに笑うおばちゃんの顔。
……私が小学生だった時は、こんな日に駄菓子屋なんて行こうとすれば10分は並んだのに。
時代を感じると共に、あの時の楽しさとかを思い出すとどこか、きゅっと胸が締め付けられた。
.
.
しばらく高校はどうなんだとか、他愛のない話をしていたら
入口の方からガタ、と人が入ってくる音がして。
ちょうど通り道を塞ぐような形で椅子を出して座っていたから、退こうとそっちの方を見ると
『…んえ、ウォヌ君』
「Aさん」
相変わらず熱を集めそうな黒い半袖のシャツに、ジーンズを履いたウォヌ君が立っていた。
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月紗?(プロフ) - レモンサイダーさん、何度もありがとうございます本当に嬉しいです…😢💞 了解致しました‼️現在更新をしている作品を終えたら、新しく作らせていただきたいと思います🤭💕ありがとうございます🙇♀️✨ (2月4日 17時) (
レス) id: d53eba97f9 (このIDを非表示/違反報告)
レモンサイダー(プロフ) - 好きすぎて、何度目かわからないですが、また読みにきてしまいました🫣 続編ほしいです🥺🥺 (2月4日 14時) (レス) @page50 id: 194f03e581 (このIDを非表示/違反報告)
月紗?(プロフ) - レモンサイダーさん» ご拝読して下さりありがとうございました。そんな事を言って頂ける様な作品を作れた事、すごく光栄に思います…ありがとうございます😢💞まだ残り14話ほどございますので、これから書かせて頂く番外編等を宜しければ…！😭♥️ (10月23日 23時) (レス) @page36 id: d53eba97f9 (このIDを非表示/違反報告)
レモンサイダー(プロフ) - あまりにも好きすぎる、終わらないで〜😭 (10月23日 22時) (レス) @page36 id: 194f03e581 (このIDを非表示/違反報告)
月紗?(プロフ) - 肉豆腐さん» こちらこそ全力で応援しております……‼️😢💘 (10月23日 19時) (レス) id: d53eba97f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月紗? | 作成日時：2023年9月16日 19時
