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結局パンパンになってしまったレジ袋をぶら下げて、やっと店長の家まで向かう。
どうやら店長はカフェの近くに住んでいるらしく、ほんの少しだけ時間がかかりそうだ。
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「……お客さん、来ないですね』
「だって、入る前に看板反対にしといたもん」
『…え。』
「こんなお互い濡れてて、接客なんて出来ないでしょ〜?
今日はお休み!ね?」
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あの後は、そうやって強制的に家に返されたのでそのまま帰った。
帰る直前に"店長と店員が雨に打たれたため本日は休業とさせていただきます。"だなんて紙をお店のドアの外に貼っていた時は少しびっくりしたけれど
帰ったらすぐお風呂入るんだよ、だなんて私に微笑みながら言っていた彼自身が風邪をひくだなんて思ってもいなかった。
……私が帰ってからもしばらくカフェのなかに居たんだろうか。
いつもの道を少し早歩きで進見ながらそんなことを考える。
空は1面雲でおおわれているし、コンクリートは未だに濡れたままだけど
昨日みたいな雨が降っていないのが唯一の救い。
もしこの状態で小雨さえ降っていたら
どうせもっと不安になって、そのまま走り出していただろうから
少し静かな朝の道に 靴音と袋が擦れる音だけが響いて、少しだけそれが浮かんだ。
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A着きましたけど
Aお部屋の番号を押せばよろしいですか?
ユン悪魔おー、早いね
ユン悪魔うん、番号は302ね
例の店長のマンションに着き、オートロックをまず解除してもらう為にとジョンハンさんに番号を聞く
それで何故か少し緊張している自分を落ち着かせながら、ゆっくりと指で3,0,2 と押して
最後に"呼出"ボタンを押すと ピロピロ、と呼出音が鳴る。
……まず、ここを開けられるまで体力が残っているのだろうか。
それに今は寝ているかもしれない。
本当に今来て大丈夫だったのかとまた心配になりつつも 鳴る音を聞いていたら
ピッ、とボタンを押す音に変わって、呼出音が消えた。
『……あ、 店長、』
店長、気づいてくれたんだ。
そう思いながらも、用意していなかった言葉の代わりを絞り出すようにして
来た理由なんかを説明しようとしたけれど
__""
『……え、あ。』
私が吃っている間に、ドアがすんなりと開けられた。
……終始店長は無言だった。
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月紗?(プロフ) - なさん» まだまだ未熟な私の作品に関心を持ってくださって、好きだと言ってくださって本当にありがとうございます😭 (1月28日 14時) (レス) id: d53eba97f9 (このIDを非表示/違反報告)
月紗?(プロフ) - なさん» 非常に勝手ではありますが、現在友達のみの公開で作っている作品はすべて準備中の作品でして、許可をさせて頂くと何度も書き直してしまったり通知で皆様にご迷惑をおかけしてしまう可能性が考えられるのでこのような形を取らせて頂いております。 (1月28日 14時) (レス) id: d53eba97f9 (このIDを非表示/違反報告)
月紗?(プロフ) - なさん» ご拝読して下さりありがとうございます。現在友達申請の方を承っておらず 皆様のお気持ちにお答えする事が難しい状況であります。大変申し訳ございません…😢🙏 (1月28日 14時) (レス) id: d53eba97f9 (このIDを非表示/違反報告)
な(プロフ) - 甘くて穏やかなペースがジョシュアの人柄を表していて大好きな作品です!月紗様の作られた小説で友達限定のものを拝読したいと思い、友達申請させていただきました。難しければ許可していただかなくても大丈夫です、これからも楽しみにしています! (1月28日 3時) (レス) id: b8691a6518 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月紗? | 作成日時:2023年8月6日 23時