♪ ページ7
鞄を持って、静まり返った教室を出る。
音楽室は3階で、クラスの教室が2階の私は階段を上らないといけない。
『猛アピール、か。』
ユラは背中を押してくれたけど、
飽きられたりとか、しないかな。
まだやっても無いことを言うのもあれだが、そんなことを思いながら階段を上る。
まず、彼女いたらどうしよう。
開始3秒で、この恋終わり……？
”まずは知る事”
……色々、聞かなきゃ、わかんないんだもんね。
音楽室の前まで来ては、容赦なく開ける。
ｶﾞﾗｶﾞﾗｶﾞﾗ
『失礼しま……！す。。(小声)』
次から、張り切りすぎて、大声を出すのはやめよう。
ドアを開けて1番に目に飛び込ん出来たのは、紛れもなくユンギ先生で。
音楽室が日が当たる場所だからか、夕方のオレンジがかった太陽に照らされて、机に突っ伏して
……
寝ている。
腕に顔を乗せて、眼鏡の中には閉じている目が見える。
『っおう……(小声)』
……予想してなかったぁぁ。。。
最初に見た、クールな雰囲気は無く。
柔らかそうな肌、まつ毛が綺麗に照らされているのを見ると、どこか可愛いと思ってしまう自分がいる。
……そんな、歳上に失礼か。
ｽﾀｯ、ｽﾀ……
睡眠の邪魔はなるべくしないように帰ろうかと悩んだけど、
やっぱり、好奇心には勝てないもので。
また、足はユンギ先生が寝ている所に向く。
ゆっくり、起こさないように。
近付けば近付くほど鮮明に見える先生。
とうとう先生の目の前まで来ては、ユンギ先生の前の椅子に座り、向かい合うようにして先生を見つめる。
……先生って、こんなのんびり寝てていいんだ。
ああいや、この言葉に大した意味は無いけども。
真っ白な肌にピンク色の可愛らしい唇。
男らしい腕輪なんてしているのに、顔は赤ちゃんみたいだ。
ユンギ先生の真っ黒な黒髪が、日に照らされて綺麗に輝く。
やっぱり、胸はドクドクと鼓動を早めて。
脳裏には既にユンギ先生だらけで、
かすかに聞こえる鼻息さえにも、ドキドキした。
ユンギ先生に目を離して、窓の外を見た私。
グラウンドには、各々でスポーツだったりをしている。
まるで漫画みたいだ、だなんて思いながら、首の角度を戻すと。
「人の寝顔見続けんのは失礼だろ。」
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作者名：月紗? x他1人 | 作成日時：2021年4月18日 14時
