Gifted 2

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その後、流れていく人の波に身を任せ会場をでた私たちは甘いものを食べるためにカフェへとやって来た。

夕也の前にはコーヒー。そして夕也の向かい側に座る天草さんの前にはチーズケーキのタルトとガトーショコラ。
夕也の隣に座る私の前には悩みに悩んだ末のチーズケーキタルトが置かれている。

ゆっくりとチーズケーキにフォークを指してサクッとタルト生地が割れる。
1口含めば丁度いい甘さが広がる。

『ん、おいし』

｢あんたさ、食べるかスマホいじるかどっちかにすれば？｣

夕也の前でチーズケーキタルトを頬張る天草さんはここに着いた時から時々難しそうな顔をしながらずっとスマホをいじっている。

｢僕みたいな天才はね、脳が使うエネルギー量が段違いだからこれぐらい食べないと頭が働かないんだよ｣

まじで何言ってんだ、この人。

｢天才って…。さっきからスマホいじってるだけじゃん｣

くいっと天草さんの手の中にあるスマホを夕也が傾ける。
こちら側に向けられたスマホを夕也の横から覗き込む。

｢なにこれ｣

『これ、将棋のですか？』

｢お、一ノ瀬さんよく分かったね。今日の対局の棋譜を書き出してるんだ｣

｢全部覚えてるの！？｣

『すご』

天草さんは自分の事を頭脳明晰文武両道完全無欠のなんたらかんたらってよく言うけど、あながちそれも間違えではないのかも。

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