Gifted 2

××4×× ページ5

控え室へと歩く2人を夕也と一緒に追いかける。
お互い口にはしないけど、私たちはあの子を知っている。

「金田！」

「四鬼くん？A？」

金田薫。私と夕也のもう1人の幼なじみ。というか、夕也のお母さんを殺害したと思われ警察に追われている金田那由多さんの娘だ。

『薫、久しぶり』

「うん」

｢初めまして。天草那月です｣

何を話そうか迷っていると後ろから私たちを追ってきた天草さんが会話に入ってたきた。

｢あのー、3人はどういう関係ですか？もしかして親同士が決めた許嫁とか、？｣

チラチラと夕也と薫を交互に見たあと、私を見て｢あ、でも3人か。｣と呟いた。

｢あんた、時々すごくバカになるんだな｣

｢私、藤堂先生の弟子の金田薫です。四鬼くんとAとは…｣

『薫は、昔よく夕也の家に来てたんです。』

｢金田の父親がうちの道場の師範代だったんだよ｣

幼い頃はよく3人で遊んでいた。夕也のお母さんが殺され、薫の父親である那由多さんが疑われるまでは。

｢薫ちゃん｣

追ってこない自分を心配してか、控え室に行こうとしていた藤堂さんが戻ってきた。

｢あっ、将子さま！僕、天草那月っていいます。将子さまの大ファンです！｣

ここぞとばかりにぺらぺらと藤堂さん愛を本人に語り出す天草さん。
その表情はにこにこのニヤニヤ。刑事として有るまじき姿だ。

｢将子さまの対局はどんな事件よりもスリリングで…｣

｢事件？｣

｢あっ、僕本職は刑事なんです。頭脳明晰文武両道完全無欠の、｢今そういうのいいって｣｣

喋りだしたら止まらない天草さんを横から夕也が止める。のにもかかわらず天草さんの口は止まらない。

｢ところで将子さま。前と髪型変えられたんですか？｣

次の話題は藤堂さんの髪型についてだ。
確かにすぐ近くに貼られているポスターの髪型は両側の髪の毛を耳にかけているが、今日の藤堂さんは左側しか耳にかけていない。

『すごい勢い…』

｢な。｣

後ろで見てる私と夕也はもちろん、薫まで苦笑いだ。

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