Gifted 2

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対して藤堂さんは、対局は自分との戦い、過去の自分を超えるよう全力を尽くすのみ。

と、あまり勝利へ固執していないように見える。

「ねえ、あの人たちって2人ともプロ棋士しゃないの？」

「よく気付いたね。」

将棋界におけるプロ棋士とは、養成機関である奨励会を経て四段になった人のことを指す。これまで女性のプロ棋士は存在しない。

『えっ、ひとりも？』

「うん。将子さまは名実ともに女流棋士界の女帝。対する高城さんは今21歳で最もプロ棋士に近い女流棋士。」

天草さんの教えをほえーと聞いていれば記者の人が高城さんに例の脅迫文について質問した。

「全然気にしてないです。私はあんな脅しには絶対に屈しません。恥を知りなさいと言いたいです。」

わあ、強気。
あんな脅迫文が届いてここまで強気なのは逆にすごいなぁ。

高城さんのコメントを皮切りに記者の後ろに集まっていた2人のファンが言い合いを始める。
藤堂将子を責める高城歩のファン。そしてそれに対して怒りを表す藤堂将子のファン。

『わぁ、』

「あーあ。本人たちより周りが熱くなっちゃってるよ」

『気持ちは分かりますけどね…』

言い合いから掴み合いにまで発展しそうになり、急いでスタッフの人がインタビューを終了させた。
その隙に藤堂将子さんが控え室へ戻ろうとする。

『あれ、あの子…』

私は藤堂さんに声をかけた女の子をじっと見つめる。

「ちょっと席外す」

「えっ？」

『あ、私も！』

「えっ！？」

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