Gifted 2

水泳部殺人事件 ページ24

『やっばい、遅刻…！』

昨夜、タキさんと2人でどハマりしているドラマの考察をアホみたいに熱弁していたらアラームをかけ忘れ見事なまでの遅刻。

毎日一緒に登校している夕也はギリギリまで待っていてくれたけど申し訳ないが勝って先に行ってもらった。

何がマズイって、先日沙耶香に話があるから朝イチで学校に来て欲しいって言われていたのだ。
本当は沙耶香の大会が終わった後にゆっくり放課後話そうって言ってたんだけどやっぱり早く話したいから朝練の時に来て欲しいってあの沙耶香に謝り倒されたら行かない訳にはいかない。

まぁ、見事に寝坊して行けてないのだけど。

起きた瞬間に沙耶香には謝りの連絡をした。
そんな時間ないだろって思うほどの長文で。
支度をしている合間にスマホを確認すれば、

来てないなって思ってそんな気がしてた！
大丈夫だよ！明日ならいいかな？

って優しい返信が来ていて泣いた。

「あ、Aおはよー！」

『おはよ〜』

「Aがこんなギリギリなんて珍しいじゃん！」

『寝坊したー！』

全力で走ったら思いの外早く学校へ着いていつも割とギリギリに教室へ入ってくる子と喋りながら歩く。

「あ、私トイレ行くからまた後で！」

『おっけー！』

女子特有の「一緒に行く？」に対して『行かん！』と強めに答えて教室前で別れる。
入口から夕也と沙耶香が話しているのが見えた。

「四鬼くんもしかして、心配してくれてるの？」

ちょっと大きめの沙耶香の声が私の元まで届く。
私以外の人と話す夕也を見るのは未だに慣れない。楽しそうなのもちょっと腹立つ。
でもそんなことを言っていたら夕也には友達が1人も居なくなってしまうので言葉にはしない。
そもそも恋人でもない言わばただの幼なじみで同居人の私が夕也の交友関係にとやかく思うこと自体気持ち悪いのかも。

「おはよう、一ノ瀬」

『あ、おはようございます。秋田先生』

さわやかな笑顔を向けて私の横を通り過ぎたのは化学の先生である秋田先生。

「あ、Aー！おは！」

『おはよー』

「今日四鬼くんといないじゃん！」

『毎日いるわけじゃないよー』

友達と話しながら横目で教室の方を見れば秋田先生が沙耶香に話しかけていた。

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