Gifted 2

××2×× ページ3

高城さんのSNSには お前は死に駒だ と書かれ赤いインクがかかっている紙を持つ姿がアップされている。
そこには、脅迫状が届きました、拡散希望、の文字も。
彼女のSNSのコメント欄には藤堂将子が犯人なのではないかというコメントが多数寄せられている。
中には証拠もないのに決めつけているようなコメントも。

「ひどい話だよ。勝手な憶測で将子さまを犯人だと決めつけて」

今日はそんな藤堂さんを守るためにやって来たらしい。

「守るって。休みの日にただ対局見に来ただけだろ」

なぁ？と私に同意を求める夕也。
曖昧に笑いながら同意する。

「あっ、もうこんな時間だ！」

慌てたように会場へ入っていく天草さんを夕也は呆れたように見つめる。

『私達も行こっか』

その後を追いかけようとすれば後方からシャッターの連射音がした。
不審に思いながらそちらを見るとポスターに映る高城さんを何枚もひたすら撮る1人の男性。

『いっぱい撮ってる』

「それだけ好きなんだろ。行くぞ」

『はーい』

会場に入ればロビーでは既に対戦する2人へとインタビューが始まっていた。
記者の質問にしっかり耳を傾ける藤堂さんと聞いているのか聞いていないのか分からない態度の高城さん。

『なんかちょっと高城さん態度悪いね…』

この対局はあくまでもプロ棋士への通過点。勝って自分の力を証明する。

言葉もなんだか強気だ。

××3××→←女流棋士殺人事件

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す