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『藤堂さんにはそう思うだけの理由があった、』
<やっと証拠を見つけた>
<やっぱり不正をしていた>
あの時聞こえた高城さんの声。不正の証拠。高城さんが亡くなった直前にそれを思っていたのなら必然とその不正の証拠というのは藤堂さんに紐づけられる。
『不正、』
「え、」
静かな場に私の呟きが響いた。
横の夕也が驚いたように私を見つめた。
それもそうか、言ってなかったし。
「そう、あなたたちは高城さんとの対局で不正をしたんですよね?」
天草さんもちらりも私を見たあと何でもなかったように推理を続ける。
「最近の藤堂さんの棋風には違和感がありました」
竜馬戦の後半の棋譜はまるでAIの将棋だったと天草さんは言う。
竜馬戦が終わって3人でカフェに行った時ずっと棋譜を見ていたのはそういう意味だったんだ。
「藤堂将子の最大の魅力は神の一手を生み出す直観力と発想力です。最新の将棋AIの予測を上回るほどの。」
しかし、今回の竜馬戦では藤堂さんが勝った時の対局ではAIが予測する手と藤堂さんが打った手、ほぼ100%合致した。
「そんなの、ただの偶然です。何の証拠にもなりません。」
「では、髪型はどうでしょう」
第一局と第二局では両耳が見えていたのにも関わらず、後半は片方の耳を髪で隠すようになり最後の対局では直前に髪の分け目まで変えた。
「それが何か?気分でちょっと変えただけです」
「いいや。髪型を変えたのはイヤホンを隠すためです」
言い切る天草さんに藤堂さんがたじろいだ。
横に経つ薫見たら不安そうに小さく震えていた。
大丈夫の意味を込めてその手をぎゅっと握る。
こんなので不安が消えるとも思えないけど、私が夕也にやられて安心することをとりあえずでやっておく。
薫はびくりと体に力を入れたけどすぐに力を抜いてそっと握り返してきた。
「高城歩を脅すために脅迫状を…?」
「いや、逆です。あれは藤堂さんを脅すために高城さんが自作自演したんです」
「高城さんの自宅から脅迫状の文書データが残ったパソコンが見つかりました」
そこからはもう大人の世界。
脅迫状で世間の注目を集めた上で不正を暴こうとしていたのだろう。
不正の確実な証拠を掴むために高城さんは藤堂さんの控室に侵入した。
「全て、天草さんの言う通りです」
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ひな(プロフ) - いつもお話更新ありがとうございます❤️🔥四鬼くんと夢主ちゃんはたから見たらカップルでしかないのに付き合ってないのがうずうずするので早く付き合って〜の気持ちです😍最終的には2人は付き合って欲しいなって思ってます! (9月27日 7時) (レス) @page13 id: be4e73e30e (このIDを非表示/違反報告)
KN - 続きが楽しみです。このまま四鬼くんとのいい感じの距離感が良いです。今の距離感が最高です。 (9月23日 11時) (レス) id: 2942423203 (このIDを非表示/違反報告)
Sa-ya(プロフ) - いつも楽しく拝読しています!ぜひ四鬼くんと主ちゃんをくっつけてイチャイチャさせてほしいです!これからも楽しみにしています! (9月18日 14時) (レス) @page5 id: 5b9ae89ac1 (このIDを非表示/違反報告)
肩幅(プロフ) - お話楽しく読まさせてもらってます!私愛され系が好きなので、ぜひ四鬼くんに守ってもらいたいです!!まっすーも大好きなので天草さんもいっぱい見れると嬉しいです!!無理のない程度でぜひお願いいたします!! (9月18日 0時) (レス) @page5 id: 5614181636 (このIDを非表示/違反報告)
KN - おもしろくて最高です (9月16日 8時) (レス) @page5 id: 2942423203 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たられば | 作成日時:2023年9月15日 22時