Gifted 2

××11×× ページ12

次の日。いつものように学校へ行って授業を受けた放課後。

｢Aー！｣

日直の仕事を終えて夕也の待つ校門まで急いで帰ろうとしていたら沙耶香に声をかけられた。

『どしたの？』

｢ねえ今度さ、話したいことがあるんだよね｣

いつもの明るい沙耶香なのにちょっといつものと違う雰囲気。

『うん、全然いいよ』

｢よかったぁ、もうすぐ大会あって部活終わるの遅いからさ。大会終わったら遊ぼ？｣

｢A帰宅部で早く帰りたいでしょ？｣くすくす笑いながらそういう沙耶香は既にいつもの沙耶香に戻っていた。

『そこまで考えてくれてありがと！早く帰りたい！』

笑う沙耶香に乗っかって私もふざけて返す。
詳しくはまた大会終わったら決めようねと話して別れた。

ブブッ

沙耶香と別れて夕也の元へ小走りで行こうとした時スマホが震える。

『えっ』

夕也と私と天草さんの3人のグループで送られてきたのは、藤堂さんが逮捕されたという事、そしてその場にいた焦燥した薫を天草さんが保護したという事。

私は急いで夕也の元へと走った。

『夕也！』

｢A、見たか？金田が、｣

『うん、見た。早く帰ろ』

夕也が急いでいるのは藤堂さんが捕まった事に驚いているからなのか、それとも薫が天草さんに保護されたからなのか。
こんな時にこんな事を考えてしまう私は最低なのだろうか。

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