Gifted 2

××10×× ページ11

突然の出来事に反応出来なかった私の腕を｢帰ろう、A｣と優しく取った夕也。

よく覚えていないけど、ハッとした時には既に夕也と帰り道を歩いていた。

｢大丈夫か？｣

『あ、うん。なんか、突然過ぎてついてけないかも』

｢だよな｣

なんとなくスマホを付けて高城さんのSNSを見れば亡くなったと聞く数時間前にされた投稿を見つけた。

_初日終了しました！今は気分転換にお散歩中。明日、必ず巻き返してみせます_

この投稿から数時間で彼女になにがあったんだろう。

｢A、おい、A｣

『えっ』

夕也にぐっと腕を引っ張られて止まる。
目の前には電柱。

『わ、ありがと』

｢本当に大丈夫か？｣

本当に、なにがあったんだろう。
そんなこと考えたところで答えなんて出ないけど。

『ごめん、』

｢謝んなって。｣

ぽん、と暖かい手が私の頭に乗る。
そのままくしゃりと撫でられる。

｢あの人がなんとかする。だから大丈夫だ｣

『うん。夕也もなんだかんだ天草さんのこと信じてるよね』

｢別に信じてるわけじゃない｣

『素直じゃないなあ』

笑いながら、今度は私が夕也の手を取った。
暖かくて大きい手。今も昔も、何度も私を救ってくれた手だ。

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