caramel 2 (ページ3)

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愛の拠り所ページ3

紫耀俺もう終わったけど
今日何時終わり?

仕事が終わってスマホを開くと紫耀からのLINE。
最後のメッセージから2時間近く経っていた。

Aごめん、今終わった

車の中で急いで返信する。
コロナウイルスがなんだと騒がれていても仕事は変わらずある。
誰かがミスをすればその分時間はかかる。
もっとも、予定通りに終わる事の方が少ない。

誰かが怒られているところを目撃するのは、目撃者の方が気まづくて、気を使う気がする。

上司が部下を叱るのは仕方の無いことで、その人なりのやり方もあるのだろう。
それでも、もう少し言い方があるのではないかと、考えては止まらない。

紫耀おつかれ

そのたった一言が、Aの心に染み渡る。
今日の撮影現場はAの家よりも、2人の家よりも、紫耀の家の方が近い。

生配信ライブを終えたばかりの紫耀は、その疲れが一気に出たのか数日は自身の家に帰っていた。
今日も彼は、彼の家にいるだろう。

A紫耀の家に行っていい?

なぜか、そう打つ指がかすかに震えた。

｢今日はどっち？｣

マネージャーである彼女は、2人の関係を知っている。
反対することなく、むしろ楽しそうにAの話をよく聞いてくれる。

紫耀いいに決まってんじゃん

『今日は、紫耀の家で』

｢あら、珍しい｣

いつもは左に曲がる道を、右に曲がった。