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「れん、ちょっとおいで」
仕事が全部終わって店をしめてから、廉を呼んだ。
襖を開けて入ってくる姿に遊郭での廉を思い出す。
「どうしたん」
「廉、あのね、ちょっと聞いて欲しいんだけど」
「しょお、昼間の結婚するって子のこと好きやったやろ」
なぜばれる。
俺が好きだったとは一言も言ってなかったよね？！
「顔見たらわかるもん。しょおのこと好きやったって聞いたとき嬉しそうやった」
「そ、そうなの？」
自分のことなのに自覚がなくて聞き返してしまう。
俺を見つめるその顔はやっぱりどこか不満そう…いや、不安そう？
「廉はさ、俺に好きな人がいたのが嫌だったの？」
単刀直入にそう聞けば、気まずそうに目をそらされる。
「ね、教えて？」
優しく呟きながら、廉を抱き寄せるとぽつりと話し始めた。
「…別に嫌やったわけじゃないけど、でもやっぱ女の子なんやって思ったらなんか、」
「寂しかった？」
「ん、だって俺男やし、今までも…その、本気で好きやった女の子おったとか聞いたら…なんで俺なんやろって、思って、」
「廉のこと好きだからだよ」
「でも、恋愛対象は…女の子やん」
やっぱり廉は不安だったのか。
俺がそのうちどっかいっちゃうかもって思ったんだろう。
「俺は、ずっと男に抱かれてきたせいで正直女の人とどうとか考えられへんし、好きな人もおったことないからわからへんけど、しょおが誰かのとこいってもたら俺たぶん」
そこで言葉を切った廉が、小さく息を吐いて続けた。
「…しょおのこと応援できひん」
そう言って、ぎゅーっと抱きしめてくる廉が愛おしくて。
「れん、聞いて？」
「うん」
「俺、今まで好きな人いた。付き合ったことも何回かあるよ。でもね、もう廉が最後だと思う」
「うん」
「死ぬとき、隣にいて欲しいのは廉だよ」
「…うん」
体を離した廉からキスされる。
廉からしてくれたことなんて、まだ数える程しかない。
それが嬉しくて、かわいくて、愛しくて。
不安になったらいつでも言ってよ。
何度だって、好きだって伝えるからさ。
続く
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名無し(プロフ) - 楼茉（ろま）さん» コメントありがとうございます。自分で書いておいて紫耀くん理想の男すぎてしんどいですね(？) シリーズ大好きって言ってもらえるの1番嬉しいです！素敵だなんてそんなそんな。読んでくださってありがとうございます！ (2020年11月4日 22時) (
レス) id: 552652e013 (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - くつしたさん» コメントありがとうございます。お礼だなんてそんな！ほんとに更新してなくて申し訳ないです…泣 れんちゃんとしょうくんほんと尊いですね？！自分で書いてて思います(は) あたたかいコメントありがとうございました！ (2020年11月4日 22時) (レス) id: 552652e013 (このIDを非表示/違反報告)
楼茉（ろま）(プロフ) - 誤魔化したり言葉を濁したりせず、真っ正面からぶつかって廉くんの不安ごと抱き締める紫耀くんかっこよすぎて...(T^T) このシリーズ本当大好きです！！ヘ(≧▽≦ヘ)♪ 素敵な作品をありがとうございます！！泣 (2020年11月4日 1時) (レス) id: 8e032e81a7 (このIDを非表示/違反報告)
くつした(プロフ) - 本編からひっそり覗かせて頂いていたのですが、今回の久しぶりの更新がうれしすぎて直接お礼を言わせて頂きたく…。ほぼ初めての嫉妬をしちゃうれんれんと、「もう廉が最後だと思う」安心させてあげる平野氏尊い…。これからも応援しています！ (2020年11月4日 0時) (レス) id: 69291a112e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名無し | 作成日時：2020年9月6日 23時
