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「もう、なんで最近来てくれなかったんですか」
「ごめんごめん。でも、俺は一刻も早く睡蓮ちゃんに会いたかったんだよ」
「…もう！紫耀さんのばか」
「…………」
忙しい仕事の休憩の合間に、ジンのところへ行ってみれば、一人二役の茶番をしていた。
…帰ろっかな。つか、もはや神宮寺の脳みそが心配だわ。いや、あいつの家薬屋だしだいじょぶだろ。
勝手に結論を出して、来た道を戻ろうとすると
「ちょーい！紫耀くん、なんか反応ちょうだいよ」
「……なにしてんだよ」
「いやお前こそ何してんの？最近会いにいってないだろ、愛しのハニーに」
"イトシノハニー"
…何なのこいつ。風邪でも引いてんの？流行病か？
「全部聞こえてんぞー」
「ごめん、俺素直だから」
「自分で言うなっつの」
ジンが淹れてくれたお茶をのみながら話す。
「最近、急に店忙しくてさ。弟も一緒に手伝ってるけど、もうやーばい」
そう、せっかく見つけた恋なのに。
店が大繁盛している。もちろん喜ばしいことなのだけれど…タイミングな。空気読めよ、バカ。
もう何にでも悪態をつきたくなってしまう。
「噂には聞いてたけどねー。そんなに忙しかったんだ」
「ん。睡眠時間削りまくり」
「そーいや岸くんが心配してたよ」
ジンの言葉に、頭の中は疑問符だらけになる。
きしくんって岸くん？
吉原の楼主の？
なんで？俺の心配？？
「『平野さん最近来てないけど、なんかあったんかな』だとよ」
「俺に来て欲しいってことなのそれは」
「ま、金持ってそうだもんね」
「…言い方な」
金づるかよ、俺は。
実際問題、睡蓮さんにならいくらでも払ってしまいそうだけど。
「てか、俺が行かなくても他の客はいるんだよな」
「そりゃな」
「待って、それって他の男の相手してるってこと？！」
「そうなるな」
神宮寺の淡白な返事に脳みそが沸騰しそうになる。
遊郭のある辺りの町をうろついている金だけは持ってそうなおっさんどもの顔が浮かぶ。
下卑た笑みを浮かべながら、俺の睡蓮さんに手が触れて＿＿＿＿
「俺、今日はもう仕事あがるわ！」
思い立ったが吉日。
思い立ったら即行動。
経営者には、ここぞって時に素早く判断する能力が必要だ。
昔から決断ははやかったし、そういうところは親にもよく褒めてもらった。
「…その能力今発揮するところですかね紫耀くん」
残された神宮寺の呟きは、もう平野には聞こえなかった。
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名無し(プロフ) - 音奈 きらりさん» コメントありがとうございます。幸せな2人もちゃんと書いていきますね！笑 (2020年6月17日 20時) (
レス) id: 552652e013 (このIDを非表示/違反報告)
音奈 きらり(プロフ) - 楽しく読ませて頂きました。幸せに暮らす2人も見たいです〜♪ (2020年6月17日 17時) (レス) id: ba403501a5 (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - いむさん» 看板息子、いいですね！笑 しょうれんはきっと幸せに暮らしてます笑 続編もぜひお楽しみください (2020年6月17日 17時) (レス) id: 552652e013 (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - なーさん» 読んでくださってありがとうございます！番外編のアイデア思い浮かびすぎてやばいです笑 番外編に関しては、皆さんからお話のリクエスト等も、もしあったら書こうかなと思ってるので、引き続き楽しんでいただけたら嬉しいです (2020年6月17日 17時) (レス) id: 552652e013 (このIDを非表示/違反報告)
いむ - しょうれん最高でした！二人がどんなふうに暮らしてるのかな〜、など、沢山妄想しています。笑笑 続編も楽しみです！きっと廉くんなら看板息子…？になりますよね！ (2020年6月17日 11時) (レス) id: 220416b2f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名無し | 作成日時：2020年5月3日 19時
