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2日連続でやってきた男に少々の戸惑いは感じつつも、昨日の接客が問題なかったのだと分かったので、少しばかり安心した。
前夜、優太から"有名な呉服屋の息子"だと聞いてはいたが、あまりにも話題がなかったために仕事は何をしているか尋ねれば案の定呉服屋だという。
元より、服には興味があったので自然に会話は弾んで距離感はぐっと近づいていた。
「あの…また逢いに来てもいいですか」
なんて、真剣な顔で言うもんだから思わず笑ってしまいそうになるけれど
「ふふ、もちろんです」
そう返せば、子供みたいに笑う。
笑うと出る猫ひげに胸が高鳴った。
…のは、もう2週間前の話である。
結局あれから平野は1度もここに足を運んでいない。
昨日も今日も他の男の相手だ。
そもそもが男なので、見目のいい男ならまだニコニコと接客できるが、下心が丸出しの気色の悪いおっさんには何をする気も起きない。
…さすがに最低限の仕事はしているが。
「なぁ優太ー」
「んー」
「また逢いに来てもいいですか。って言った癖に全然来おへん客がおるんやけど」
深夜、俺の部屋へきた優太に愚痴ってみる。
「…いや正直ここに来る客なんてそんな嘘、息するみたいに言うぞ」
「そんな人には見えんかったで？」
「お前それ……まぁいいや」
良くも悪くも嘘がつけない優太がこんなふうに言葉を濁しているのは珍しい。
「…なんやねん」
「いや…はっきり言うけどそれ平野屋んとこの奴だろ」
「っな…！」
まさか、あの優太に言い当てられるとは思わなくて変に声が上ずってしまった。
これじゃあ、正解だと言っているようなもんだ。
「まぁ、誰でもいいけど。その言い方だと廉がまた会いたいみたいに聞こえる」
…会いたいんやろか。
自分でもいまいち気持ちがわからない。
でも、他の客とは確実に何かが違う。廓言葉が抜けてしまったことなんて、あの日だけだ。
…規則違反だし、きっと姐さんがいたらめちゃくちゃに怒られてただろうから誰にも言っていないが。
ふと視線を感じて優太の方を見ると、なんとも穏やかな顔をしていた。
…自分、仏なん？
「廉。楼主の立場から言わせてもらうと、客に恋するのはあんまりおすすめできない。身請けされた後に辛い思いした人沢山いるからな」
咄嗟に姐さんの顔がよぎる。
この辺りで1番の花魁だった彼女はもうこの世にいない。
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名無し(プロフ) - 音奈 きらりさん» コメントありがとうございます。幸せな2人もちゃんと書いていきますね！笑 (2020年6月17日 20時) (
レス) id: 552652e013 (このIDを非表示/違反報告)
音奈 きらり(プロフ) - 楽しく読ませて頂きました。幸せに暮らす2人も見たいです〜♪ (2020年6月17日 17時) (レス) id: ba403501a5 (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - いむさん» 看板息子、いいですね！笑 しょうれんはきっと幸せに暮らしてます笑 続編もぜひお楽しみください (2020年6月17日 17時) (レス) id: 552652e013 (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - なーさん» 読んでくださってありがとうございます！番外編のアイデア思い浮かびすぎてやばいです笑 番外編に関しては、皆さんからお話のリクエスト等も、もしあったら書こうかなと思ってるので、引き続き楽しんでいただけたら嬉しいです (2020年6月17日 17時) (レス) id: 552652e013 (このIDを非表示/違反報告)
いむ - しょうれん最高でした！二人がどんなふうに暮らしてるのかな〜、など、沢山妄想しています。笑笑 続編も楽しみです！きっと廉くんなら看板息子…？になりますよね！ (2020年6月17日 11時) (レス) id: 220416b2f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名無し | 作成日時：2020年5月3日 19時
