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この状況が夢でなければ。
俺の想い人、睡蓮さんは男だったらしい。
俺の目の前で、青年が泣いている。
泣きながら、ごめんなさいと繰り返す彼に、これは現実なのだと悟った。
俺は意外と冷静だった。
「…もう分かったから。泣かないでよ、ね？」
姿は男といえど、顔は好きな女そのままなのだ。
人に泣かれるのは嫌だし、さらに想い人となれば話は変わってくる。
「…でもっ」
それでも泣き止まない彼の目元を、袖口で拭ってやる。
「大丈夫だから」
艶のある黒髪を撫でてみる。
すると、驚いたのか俺の方を見て瞬きを繰り返した。その目が瞬く度、涙がこぼれ落ちる。
子供みたいな無防備な表情がかわいい。
…あれ、俺って男イケたんだっけ。
「しょお…さん」
「うん」
「なんで……っ軽蔑、しないんですか」
「なんで？」
「だって…！おれ、男やのにっ…こんなとこで働いて……」
「……うん。でも、きっと…それもなんか理由があるんでしょ？」
じゃなきゃ、こんなに泣いたりしないよね？
軽蔑なんて、そんな感情は1ミリも湧いてこなかった。
変わらず頭を撫でていると、彼は頭を振って、俺の手を掴んで、やめさせようとする。
それでもやめないでいると
「あんまり、優しくせんといてくださいよ…」
そう呟く彼が、とても可愛く見えてきて。
最初に睡蓮さんを見た時と同じ胸の高鳴りを感じる。…泣いてる人に思うことじゃないかもだけど。
「…廉くん、だっけ？大丈夫だよ、俺は軽蔑なんてしないから」
そう言うと、1度引っ込んだ涙がまたこぼれてきてしまう。
思わず抱きしめると、彼は驚いたように硬直したけれど、しばらくして俺に身を委ねた。
背中にまわってくる彼の手は弱々しく俺の服を掴んでいる。
なにより、男だと知っても彼女…いや彼への想いが変わっていないことに自分が1番驚いていた。
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名無し(プロフ) - 音奈 きらりさん» コメントありがとうございます。幸せな2人もちゃんと書いていきますね！笑 (2020年6月17日 20時) (
レス) id: 552652e013 (このIDを非表示/違反報告)
音奈 きらり(プロフ) - 楽しく読ませて頂きました。幸せに暮らす2人も見たいです〜♪ (2020年6月17日 17時) (レス) id: ba403501a5 (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - いむさん» 看板息子、いいですね！笑 しょうれんはきっと幸せに暮らしてます笑 続編もぜひお楽しみください (2020年6月17日 17時) (レス) id: 552652e013 (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - なーさん» 読んでくださってありがとうございます！番外編のアイデア思い浮かびすぎてやばいです笑 番外編に関しては、皆さんからお話のリクエスト等も、もしあったら書こうかなと思ってるので、引き続き楽しんでいただけたら嬉しいです (2020年6月17日 17時) (レス) id: 552652e013 (このIDを非表示/違反報告)
いむ - しょうれん最高でした！二人がどんなふうに暮らしてるのかな〜、など、沢山妄想しています。笑笑 続編も楽しみです！きっと廉くんなら看板息子…？になりますよね！ (2020年6月17日 11時) (レス) id: 220416b2f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名無し | 作成日時：2020年5月3日 19時
