答え合わせ ４

１１３：玉砕 ページ12

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「それで？慎太郎は例のあの子と上手くいったの？」




今日の昼休みは、その話題ばっかり。


ていうか樹。それいじってるでしょ。




「あのさー…」



分かりやすくしょげる慎ちゃんを見て、みんな爆笑。



可哀想になってくる。




この前言ってた通り、慎ちゃんの好きな子が当番の日に皆で図書室へ行った。


話し掛けろよ！って無理やり樹に背中を押された慎ちゃんは、図書室って事を忘れてたのか、大声で急に自己紹介をし始めた。


バカなの？


……さすがに相手の子も苦笑い。


結果的に、完全に玉砕したらしい。




「そりゃそうだろ。あんなのただの変人だよお前」

「お前らのせいじゃん！」




あーもー！って怒ってる慎ちゃんが気の毒でジュースを奢ってあげると、いつも冷たいAちゃんが優しい……なんて余計に凹んでた気がする。

人の善意を失礼な。しかも別に冷たくしてない。




「じゃあ今日は慎太郎の失恋を慰める為にカラオケでも行かね？」

「それ樹が行きたいだけでしょ」

「バレた？」




そんな風におどけてる樹。



カラオケかー…行きたいけど。




「あー、ごめん。俺らパス」



私が答えるよりも先に、北斗先輩が答えた。



「なんでだよ」

「コンクールの練習あるし。な？」



急に話を振られた。



「あぁ…うん。ごめんね？樹」

「俺が暇みたいじゃん」

「暇でしょ？」

「まー、そうだけど」




２年になって、樹は部活を辞めたらしい。
ダルいからって。

樹らしすぎて笑える。




「吹奏楽コンクールっていつあんの？俺らも見に行っていいやつ？」



ジェシーくんが楽しそうに聞いた。




「8月の頭だよ。夏休みだけど来てくれるの？」

「当たり前じゃん！リサちゃんまたソロ？ってやつするの？」




今度は急に話を振られたリサが動揺してる。
……可愛い。




「ううん。コンクールはさすがにソロは3年の先輩だよ」



そんな風に気まずそうに言うリサ。

……うちの吹部って年功序列なんだよね。



正直リサの方が上手いと思うけど。






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