０７８：カツアゲ ページ23
.
ホームルームが終わって、自由行動が始まった。
とりあえず隣のクラスを覗いて、リサ達と合流する。
窓の外を見ると、昨日の雨はなんだったのかってくらいに快晴。
中学の文化祭とは大違いの規模。
出店だってこんなにいっぱいあって、いろんな衣装を身に纏った人達と次々にすれ違う。
「すご……」
思わず出た言葉に、リサが笑った。
「ね、高校生ってやばいねマジで」
「で？どうだったの？」
「何が？」
ジェシーくん達には聞こえないように、リサに耳打ちする。
「何って。ジェシーくんの事に決まってんじゃん！」
「えっ、ああ…実はさ、お化け屋敷ふたりで行こうって…」
「えぇ！？誘われたの！？」
「ちょっと…！声大きい！」
「やだ、もう青春なやつじゃんそれ」
「うん……さすがにビビった」
あぁ、遂にこの文化祭でこのふたりは付き合うかもしれない…と思うと、ニヤケが止まらない。
早くふたりっきりにしてあげたい。
「ねー、樹！」
「ちょっと！樹くん呼んでどうするの？」
「まぁまぁ、こういうのは樹に任せといたら正解だって」
少し先を歩いてた樹を呼んで手招きすると、素直に私達の元へやって来た。
「なんだよ、どーせジェシーだろ？」
「さすが、名探偵」
「なんだそれ」
あっ……。
さすが、名探偵ってやつ。
最近大我先輩がよく言ってたやつだ。
口癖って、移るよね…自然と。
「あ…あれ、北斗じゃね？」
「え、どこ？」
渡り廊下の窓から樹が指差した先には、北斗先輩と高地先輩が居た。
……大我先輩は、一緒じゃないんだ。
窓を開けておーい！って手を振ると、先輩達が気付いて手を振り返してくる。
「ねぇ、合流しようよ。北斗先輩に奢ってもらお」
「お前、カツアゲじゃん」
「何言ってんの！ほら、早く！」
「北斗せんぱーい！」
階段を降りてさっき先輩達が居たところへ行くと、やけにテンション高いじゃんって笑われた。
高地先輩には俺の事も呼んでよ、なんて言われる。
「さ、北斗先輩！まずは何奢ってくれます？」
「お前さ…カツアゲかよ」
さっきの樹とそっくりそのまま同じ事言うから吹き出す。
どうしよっかなー、とりあえずジュース買いに行きません？映えるやつ！って言うと、どこに売ってんのって嫌そうにしてるくせに笑ってる。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1136人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
chaka(プロフ) - g sさん» g sさん、コメントありがとうございます！そんなそんな……嬉しすぎるお言葉です😭ありがとうございます！私も実は完結してから一気読み派です( 笑 )ですが、、、更新頻度高めに頑張るのでぜひ、一緒に完結まで見守って貰えると嬉しいです🥹🥹💗 (2022年9月25日 12時) (
レス) id: 93153d1174 (このIDを非表示/違反報告)
g s(プロフ) - 最近このお話読み始めたんですけど、大好きすぎて毎日続きが気になってるので完結してから一気に読むか迷ってます🥹大我先輩頑張れ､､､(T_T)！ちゃかさんのお話全部好きですこれからも更新楽しみにしてます♡ (2022年9月25日 12時) (レス) id: c57ed5cafc (このIDを非表示/違反報告)
chaka(プロフ) - ほくほくさん» ほくほくさん、コメントありがとうございます！いやん、、、😭そんな嬉しいお言葉、、、本当に有難いです。ズバリ！良い目の付け所です！笑 (2022年9月22日 0時) (レス) id: 93153d1174 (このIDを非表示/違反報告)
ほくほく(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいてます！このお話本当に面白いです。大我先輩が何を抱えてるのか、北斗先輩がどう思ってるのか…気になりすぎます…！(笑)無理せず、更新頑張ってください！ (2022年9月21日 23時) (レス) @page44 id: 59b0c6847d (このIDを非表示/違反報告)
chaka(プロフ) - えみりーたさん» えみりーたさん、コメントありがとうございます！もしかして、前作にもコメントを頂けた方でしょうか、、、全くコメントが頂けず病みそうだったので嬉しいです……笑もうそろそろ移行する予定です。そちらもお楽しみに！ (2022年9月21日 21時) (レス) @page44 id: 93153d1174 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：chaka
| 作成日時：2022年9月1日 14時
