泣き虫を笑って ３

１２５：強がんなくていいから ページ43

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「すみませんでした…いろいろ」

「えっ…」

「迷惑……掛けてすみません」



きっと、わざわざ言いに来たのは…これだったんだと思った。



そんなの、全然良いよ…なんてはもちろん言わない。



たいして美人でもないくせに邪魔…とか、さっさと辞めて欲しいとか…言ってたことは、簡単には許さないし、本当はもっと大声でブチ切れてやりたい。




だけど……私と同じで島崎さんも強がりなのかもしれない……なんて。


不思議と、今までのことも少しは許すことが出来た気がした。









「ごめん、遅くなった。なんであいつが居んの」





小走りで会社の入口まで来た京本さんが、立ち去って行く島崎さんを見て不思議そうに眉をひそめる。





「女子同士のナイショ話です」

「は？」




私がそう言うと、また余計に眉をひそめた。




「あ、今日は泣いてない」




私の顔を覗き込んで、そう言う。




「……泣きませんよ、こんなことで」




……嘘。本当は震えてた。

後輩相手にビビって…なのにカッコつけて、バカみたい。







「バカ、強がんなくていいから」







そう言って、ふわっと抱き寄せられる。




「えっ……ちょ、京本さん…？」



ここ…一応会社の真ん前なんですが……。



「なんで髪切ったの？」

「えっ？」



今、髪の話？



「それは…あの、私いろいろ勘違い……してたみたいで、その…」

「なに」

「失恋……したなぁって………」

「は？」



次は、ガバッと体を離される。



「なに、失恋って。松村？」

「えっ…？」




なんで、北斗？




「お前、松村が好きなんじゃねーの？」

「えっ…？ちが……」

「お前が熱出したとき、俺お前ん家行ったじゃん」

「…はい」



聞きたいことあるから…って言った時？



「あん時さ、松村のこと好きなのかって聞こうと思って行ったんだよ」

「・・・」

「お前、泣いてたし。何かあったんなら俺に言えばいいのに」

「え…」

「待てって言っても待たないし、振り払われるし」

「…すみません………」




だって…。





「俺、結構傷付いたんだけど」





え……傷付いたって…それ……。





「俺のことは振り払ったのに、松村には頼るんだって思ったらイライラして。でもお前らが付き合ってんなら、邪魔なのどう考えても俺だし松村に勘違いされたくないなって」






あの時の勘違いされたくないっていうのは…そういう意味？私てっきりーーー…













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