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「北斗さ、お前…本物のバカなの？」
「…はい。俺はバカです…大バカ者です…」
週明けに大学で慎太郎に会うと、さっきからそれしか言われない。
あれは無いわ〜って。
お前の男気の無さにはガッカリとまで言われる始末。
そりゃ、そうだ。仕方ない。
今日は高地たちも一緒にって食堂にやって来て食券を買うために並んでると、向こうの方から、おーい！って慎太郎を呼ぶ声が聞こえた。
今いちばんムカつく声。
京本だと分かって声のした方を見ると、一緒に居るのはどう見てもAで。
学食で2人で昼飯食うほどの間柄なわけ？
なんか席から身を乗り出して京本の腕を掴んでるし。
え、どういう状況？
カップルの修羅場でも見せられてんの？って余計にイライラする。
「あれー、きょもだけかと思ったらAちゃんじゃん！」
他の3人がAと京本が座ってるとこのテーブルに当たり前みたいに座るから、仕方無く俺もついていく。
「え、2人で食べてたの？」
「あーーー…はい」
慎太郎からの視線には気付いてチラッと目が合ったけど、ついさっき男気の無さにはガッカリとまで言われていた手前、何も言えなかった。
ちょうど対角線上の席に座ってるAとガッツリ目が合ったのに、瞬時に逸らされる。
なんで？
この前の飲み会の帰りからちょっと様子が違うようなA。
なんでお前が気まずそうにすんの？ってまた苛立って、なにって自分でもびっくりするほどの冷たい声が出た。
「てかいつの間にそんなに仲良くなったの？」
「そーだよ！びっくりした俺！」
「あかりやるじゃん」
好き勝手言ってるこいつら。
たしかに、なんでそんなに急に仲良くなってるのか俺も気になるけど聞けないし。
静かに食べながら耳だけ集中するチキンっぷり。
また、慎太郎に怒られるかななんて思ってたら。
「このあと2人でパフェ食べに行くんだよねー？」
そう言った京本に思わず、は？って言葉が出そうだった。
ギリ心の中だけでとどまったけど。
「えっ！あーーー…はい」
え、本当に？
別に仲良くないって言ってなかった？
なのに、2人でパフェ食べに行くような関係性になってんの？
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作者名：chaka
| 作成日時：2022年6月18日 12時
