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チラッと慎太郎を見ると、睨まれてる…よな？
次会った時覚えてろよみたいな顔してる、あれは。
「お前やけに京本と仲良いじゃん」
Aと2人きりの帰り道。
「そうですか？別に仲良いってほどじゃ…」
「てか、飲みすぎ」
こんなのは、ただの八つ当たり。
「そんなに飲んでないよ？」
「酔ってる、顔赤い。
お前俺が居なかったら
あのまま京本に持ち帰られてたかもよ？」
それは、本当に。
あいつも男なんだ。俺もだけど。
その危機感の無さは本当に危ない。
案の定、へ？みたいな顔してるし。
「京本さんはそんなことしないでしょ…」
「だから、そういうとこだって」
「え？」
「危機感が無さすぎなんだってお前は」
俺がそう言うと、Aは何も言わなくて。
俺もそのままの勢いで続けた。
「よく知らない男の前で酔うなよ。
あと連絡先も簡単に教えようとすんな」
心配してるフリして、こんなのはただの嫉妬。
Aを取られたくないってそれだけ。
好きとは言えないくせに、自分でも引くほどダサい。
しばらくの沈黙の後、ごめんなさい…って俯くAを見て、言い過ぎたって思った。
怖がらせたかなって、また自己嫌悪。
「あ、いや…ごめん。
京本は悪いやつじゃないけど
世の中には変なやつもいるんだから、な？」
「わかってます…」
「なんていうか、その…心配だからさお前のこと」
「それって妹だから？」
…え？
それって、どういう意味で聞いてる？
「私が妹みたいだから？」
��妹��
Aが発したその言葉に、また現実を突きつけられた。
さっきだって、俺が京本に言ったことなのに。
「そうだよ」
無意識に、そんな風に答えてた自分が居た。
Aのことはもちろん、妹みたいに大事で。
その言葉に嘘は無い。
だし、ここで違うよ、好きだよなんて言ったら迷惑かなって。
Aは京本のこと見てるかもしれないのに、って。
俺のチキンが大発動した。
「ですよね！
ごめんなさい飲みすぎちゃって」
そう言って笑うAを見ると、あぁ、俺の答え方は間違ってなかったんだって、安心するのと同時にまた凹んだ。
「Aのことだからどーせ3日経ったら忘れてるでしょ」
なんて、無理に笑顔を作って言うと、またAも笑った。
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作者名：chaka
| 作成日時：2022年6月18日 12時
