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数日後。
他の皆より1時間遅く出勤すると、店には本当に京本が居て樹と慎太郎にいろいろ教えて貰っているとこだった。
「ねー、ワンコちゃん。あっちのお客さんが呼んでるんだけど」
「あ…はい！私行きますね」
なに、ワンコちゃんって。
なぜか京本にワンコちゃんって呼ばれてるA。
「あのさ、」
「え、なに？」
Aがオーダーを取りに行っている間に京本に話しかけると、俺から話しかけることなんて滅多にないからかちょっと驚いてる。
「あいつと知り合い？」
わざわざこんなこと聞いてしまうって。
我ながらキモイ。
「あいつ？」
「Aと、あー…京本がワンコちゃん？って呼んでる子」
「知り合いってゆーか…うん、知ってる子」
「あ、そ」
なんだそれ。
Aって男の友達居たんだ、ってちょっとモヤっとして本人にまで知り合いなの？とか聞いてしまう始末で。
自分の女々しさに引いた。
「そんな怒らなくても…」
あ、俺怒ってるように見えてるんだ。
それはごめん。
「怒ってねーし」
「たまたま駅で会った…というかぶつかって」
「あーお前がゼェゼェ言いながら出勤した日？」
「あ、そうです。その日」
なんだ、ぶつかっただけなんだってそれだけでちょっと安心しちゃう俺。
てか、ややかしい言い方すんなよって京本を睨む。
気付かれてないけど。
「北斗、何時に上がれんの？」
先に賄いを食べてた樹が、洗い物してた俺のとこまでわざわざ言いに来る。
嫌な予感。こういう時はだいたい飲みに行こうとかそういうの。
「あと、15分くらい」
「飲み行くぞ」
やっぱり。
「今から？」
「きょもの歓迎会。みんな行けるって。北斗も行くだろ？」
なんでこの時間からの飲みに全員賛成するわけ？
こういうとこしっかり大学生なんだよな、ノリが。
しかも俺は別に歓迎してないし。
「嫌そうな顔すんなよ。Aも行くから」
…なんでそれわざわざ俺に言うわけ。てかニヤニヤすんなよ。
「…わかった」
結局俺が上がるまで待っててくれた皆と、慎太郎オススメの居酒屋に行くことになった。
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作者名：chaka
| 作成日時：2022年6月18日 12時
