元カレが結婚しました！

２９：放っといて ページ29

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「浮気っつーかさー、なぁ？」

「どういうこと？」

「ちょっと、田中くん！人の過去勝手にベラベラ喋んないで」



特に松村くんになんてやめてよ。

これ以上傷をえぐられたら私やっていけない。



「お前が今まで散々俺らにベラベラ喋ったんだろーが。聞いてもねーのに」

「それはそうだけど……」

「２年以上引きずった上に結婚ってなぁ。ご愁傷さま」

「もうちょっと言葉選べないの？」



ストレートすぎるでしょうよ、さすがに。

さっきの優しい顔は勘違いだったか……。



「分かんねーなー。引きずるとか、未練とか。俺そんなん経験したこと無い」

「別に田中くんに分かって貰えなくていいってば。放っといて」

「今まで散々聞かせといてそれはねーだろお前。だから気を利かせて俺が出会いの場を提供してやってんだろ？」



男忘れるには男しかねーじゃん！なんて、笑ってる田中くん。
レイナと思考が一緒だな。


そりゃあ私だって……そんな風に考えられたらって、もちろん思うよ。


思うんだけどさ…。



「でも……」



田中くんの言った通り。

やっぱりまだ大我のことを忘れられない自分が居て。



結婚しちゃった訳だし、勝ち目なんてもう一生無いのに。




「あんたくだらないね、本当に」



うわ……。

ほらね。

だからベラベラ喋んないでって言ったのに。




「あのさ……人のこといじめたいなら他所でやってくれる？」



私でストレス発散するのはやめてくれ。



「俺は本当のことしか言ってないけど？」

「私がくだらない女だ…ってやつ？」

「そう。本当のことでしょ？」



なにその爽やかな笑顔。

それで一体何人の人を騙してきたの？



「あぁ……そうだね！でも松村くんにそんなこと言われる筋合い無い！」



ムカつく！！！




「待て待て。A声でけーから。落ち着けよ」

「はぁ？」



落ち着いてられるか！

それに田中くんだってこの前バカみたいにデカい声で騒いでたじゃん！



「まぁまぁ北斗もさ、あんまりこいつのこといじめないでやってよ」



…それじゃ私が子どもみたいじゃん……。



「あんたさ、酒自分で頼むならレモンサワーばっか？」



は？急に何の話よ。








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