元カレが結婚しました！

１２：馬鹿馬鹿しい ページ12

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手を洗い終わって、スカートのポケットからハンカチを取り出す。


……良かった！ハンカチ持ってて！


たまに持ってないことあるし、そんな時は自然乾燥〜って、手をブラブラさせて乾かしちゃう女子力の無さ。

そんなところまで松村くんに見られたら自己嫌悪の塊でどうにかなっちゃうとこだった。



顔を上げると、後ろに立ってる松村くんと鏡越しに目が合う。



どういう……目なんだろう、それは。

もしかして、可哀想な奴って思われてる？



「あの……さっきのこと本当に私全然気にしてなくて…いや、気にしてないっていうか！あの、田中くんがさ？ちょっと大袈裟でね？」

「・・・」

「様子見に来てくれ…たのかな？ありがとう、席もど……」

「馬鹿馬鹿しい」








……え？








バカバカしい……って言ったよね？今……。

バカバカしいって、あの……バカバカしい？馬鹿のバカ……？



振り返ると、酷く冷たい表情をした松村くんと目が合う。



しまった。
自意識過剰すぎる発言をしてしまったのか！私は！



だって！

これは誰だってそう思うんじゃ……？


トイレまでわざわざ心配して様子見に来てくれるなんてさ…さっきのことも気にしてくれてるのかな、って……。


違うの？もしかしてそんなことを言う為にわざわざ？

嘘でしょ？そんな人じゃないよね？

だってさっきあんなに……。




「恋愛ごときに振り回されてそんな顔してんでしょ、あなた」



な……なにを言ってるんだろう、この人は。



「え、松村くん……？」

「すげー馬鹿馬鹿しい」



また言われた……。



「えっと、」



なんて言えばいいのか分からなくて、固まってしまう。



「別に俺あんたの心配してんじゃないよ。あんたが泣こうが酒飲んで吐こうが興味無い」



…えええぇ……？？


あんたって言われた！さっきは、あなただったのに！


怖いよ、松村くん。



「え、いや、あの……」




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